- 著者
-
小松尾 京子
- 出版者
- 日本ソーシャルワーク学会
- 雑誌
- ソーシャルワーク学会誌 (ISSN:18843654)
- 巻号頁・発行日
- vol.28.29, pp.A1-A11, 2014-12-31 (Released:2017-10-23)
本研究は,主任介護支援専門員のスーパービジョン実践を明らかにすることを目的としている.主任介護支援専門員の実践環境や背景に着目し,成長の要因と実践方法についてグループインタビューを行った.その結果,成長の要因として,環境がモチベーションを保つことに影響を与えていた.主任介護支援専門員は事例検討会の経験による言語化を通して,スーパーバイザーとして成長していた.スーパービジョンの実践方法として,自身のスーパービジョン体験を活かし,スーパーバイジーを尊重した対応や支持的な働きかけをしていた.気づきを促すための問いかけを工夫しながらも,言うべきことは言う態度をとっていた.その一方で,スーパーバイザーとしての自己の確立は十分でないことが示唆された.主任介護支援専門員が対人援助の専門職として活躍するためには,日常業務である事例検討会を活用したスーパービジョンの方法論の確立が重要である.