著者
萬谷 和香子 小林 皇 野藤 誓亮 松木 雅裕 橋本 浩平 加藤 慎二 舛森 直哉
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.283-285, 2018-06-30

We report a case diagnosed as both necrotizing fasciitis and frostbite of the male external genetalia. The patient was a 58-year-old man with diabetes mellitus. He was referred to our hospital with swelling of his penis and icing there for 3 weeks. We diagnosed his condition as necrotizing fasciitis of the external genitalia and decided to perform an emergency operation. Although we consulted plastic surgeons about debridement of a large area, they considered that there was no necessity for it because the scrotum, perineum and abdominal wall were frostbitten. The final clinical diagnosis was necrotizing fasciitis of the penile region and frostbite around the perineal region. We performed partial penectomy without debridement. Through collaboration with another medical department it was thus possible to avoid unnecessary invasive treatment.
著者
高柳 明夫 小林 皇 橋本 浩平 加藤 隆一 舛森 直哉 伊藤 直樹 塚本 泰司
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.99, no.7, pp.729-732, 2008-11-20 (Released:2011-01-04)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

症例は32歳, 男性. 両側精巣萎縮と性欲減退を主訴に2006年2月9日に当科を初診した. 問診より1999年からのアナボリックステロイド (AAS) の濫用が判明した. 身体所見では両側精巣容積が13mlと萎縮していた. 内分泌的検査では黄体化ホルモン, 卵胞刺激ホルモン, 総テストステロンは低値であり, 遊離型テストステロン (Free T) は高値だった. また, 後日判明した sex hornomne binding globulin (SHBG) も低値であり, 算出された calculated Bioavailable testosterone (cBAT) も低値だった. 以上の所見からからAASの濫用による低ゴナドトロピン性性腺機能低下症と診断した. AASの中止のみで経過観察を行ったが改善を認めなかったため, 5月18日より週1回のヒト絨毛性ゴナドトロピン (hCG) 3,000単位筋肉注射を開始した. その後6月22日に内分泌学的検査を施行したが自覚症状, 内分泌検査所見ともに改善は認めていない. AASの濫用により低ゴナドトロピン性性腺機能低下症となることが知られており, 一部の患者ではAAS中止後も性腺機能低下症が改善しないことが報告されている. 本症例においてはhCG注射を早期に開始したことが早期に精巣機能を改善するかどうかについて今後の注意深い観察が必要である. また, 本症例の病状を把握する上では free T よりもcBATを用いることが有用だったと考えられた. AASには多くの重篤な副作用があり安易な使用は控えるべきである. またAASの副作用に関しての広い啓発により濫用を防ぐことが必要と考えられた.
著者
小林 皇 伊藤 直樹 舛森 直哉 高橋 聡 小林 皇
出版者
札幌医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

Androgenの減少は骨に対しては代謝の亢進につながることが明らかとなったが、短期間では骨粗鬆症の発症のレベルまでは骨密度の減少はなかった。握力などの筋力には経過中に変化を認めなかった。メタボリック症候群で注目される物質のひとつであるアディポネクチンも経過中は両群に変化を認めなかった。脳に対する影響として、認知障害の有無をミニメンタルステート検査を行ったが経過中に両群とも変化は確認できず、認知能に対する影響は確認できなかった。このように、アンドロゲンの低下が早期より影響を及ばす臓器としては生殖器以外では骨が注目される結果であった。