著者
加藤 慎二郎 熊谷 信克 松本 敬子
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.113, no.2, pp.84-109, 2015-06-29

観察研究における対象の選択バイアスは,結論に影響しうる。本研究では,新契約無条件体の申込形態別死亡率,死因を調査し,生命保険加入者に特有な選択バイアスについて検討した。払方,保障額,新規転換,白地区分の申込形態は,いずれも有意に死亡率に影響していた。特に払方と保障額の効果は,大きくかつ長期的で,選択が難しいと考えられる悪性腫瘍,自殺,事故死,肝硬変,その他病死など多岐にわたる死因で差異が観察された。これらの効果は,おおむね射幸心やモラルリスクに基づくものと推測されるが,一時払契約では喫煙率が低く,一部で健康志向の関与が示唆された。観察研究の結論は,コントロールの選定や解析方法にも左右される。特にImpairment Studyを用いて疾病や検査所見の医学的リスクを正しく評価するためには,保険年度・観察年度構成とともに,これら申込形態や環境要因の選択バイアスの適切な調整・管理を必要とする。
著者
萬谷 和香子 小林 皇 野藤 誓亮 松木 雅裕 橋本 浩平 加藤 慎二 舛森 直哉
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.283-285, 2018-06-30

We report a case diagnosed as both necrotizing fasciitis and frostbite of the male external genetalia. The patient was a 58-year-old man with diabetes mellitus. He was referred to our hospital with swelling of his penis and icing there for 3 weeks. We diagnosed his condition as necrotizing fasciitis of the external genitalia and decided to perform an emergency operation. Although we consulted plastic surgeons about debridement of a large area, they considered that there was no necessity for it because the scrotum, perineum and abdominal wall were frostbitten. The final clinical diagnosis was necrotizing fasciitis of the penile region and frostbite around the perineal region. We performed partial penectomy without debridement. Through collaboration with another medical department it was thus possible to avoid unnecessary invasive treatment.
著者
寺田 厚 原 宏佳 加藤 慎二 木村 剛 藤森 勲 原 耕三 丸山 司 光岡 知足
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.291-295, 1993-04-15
被引用文献数
4

猫8頭(ヒマラヤン3頭とペルシャ5頭)に乳果オリゴ糖を50mg/kg/日を2週間投与し, 投与前, 投与7日目および14日目, 投与後7日目に糞便フローラ, 糞便内腐敗産物, 水分, pH, 尿内アンモニアおよび環境のアンモニアを測定した. 腸内フローラでは投与期間中Lactobacillusは有意(p<0.05)に増加し, Clostridium perfringensとEnterobacteriaceaeは有意(p<0.05)に減少した. FusobacteriumおよびStaphylococcusは乳果オリゴ糖投与7日目に投与前に比べて有意(p<0.01)に低下し, Bacteroidesは投与後14日目に有意(p<0.001)に増加した. 検出率については, 乳果オリゴ糖投与14日目においてBifidobacteriumは有意(p<0.001)に上昇し, 一方, Spirochaetaceaeおよびレシチナーゼ陰性Clostridiumは有意(p<0.05)に低下した. 腐敗産物については, 糞便内アンモニア, エチルフェノール, インドールおよびスカトール, 並びに尿内アンモニアはいずれも投与14日目に有意に(p<0.05)低下した. 糞便水分量および便量は乳果オリゴ糖投与中わずかに増加し, 逆に糞便pHはわずかに低下した. 飼育室のアンモニア濃度(p<0.01)は減少し, 糞便臭もかなり減少した.