- 著者
-
一宮 孝至
大住 政寛
小林 靖尚
長坂 健司
井上 雅文
- 出版者
- 一般社団法人 日本木材学会
- 雑誌
- 木材学会誌 (ISSN:00214795)
- 巻号頁・発行日
- vol.67, no.1, pp.14-19, 2021-01-25 (Released:2021-01-30)
- 参考文献数
- 17
特別養護老人ホームとして使用される延床面積1977.75m2の鉄筋コンクリート造建築,および,同等の規模と機能で設計した木造建築について,材料製造,輸送,建設,解体における温室効果ガス (GHG) 排出量をライフサイクルアセスメントによって算出した。GHG排出量は, 木造建築で592.3 t-CO2eq,鉄筋コンクリート造建築で1155.6 t-CO2eqとなり,木造建築の優位性が示された。木造建築において準耐火構造を耐火構造に変更するとGHG排出量は6.5%増加し,基礎構造を杭基礎に変更するとGHG排出量は8.4%増加するが,木造建築の優位性はそれらの変更後も保たれた。重量カバー率とGHG排出量の関係を検討したところ,軽量な部材であっても原単位の大きな部材の影響が大きいことが確認された。