著者
小柳津 周
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.307-315, 1986 (Released:2010-04-30)
参考文献数
17
被引用文献数
2932 4930

グルコサミン塩酸塩を遊離形にし, 37℃インキュベーターで0日から30日間放置褐変した褐変グルコサミン (BGA) の抗酸化性, 還元力, 褐変度, アミノ糖の残存量, pH, 水分量, 全窒素量を, 放置0日から5日間は毎日, 以後5日間の間隔で30日間測定した。一方, 0, 15, 30日間放置褐変したBGAをセファデックスG-15で分画し, 抗酸化性, 還元力, 褐変度, pHについて測定して, 次のような結果を得た。1) 遊離グルコサミンは, 3日間放置後より白色粉末状から褐色ペースト状に急激な変化を示した。2) 最も強い抗酸化性は, 25日間と30日間放置褐変したBGAで認められた。3) BGAのリノール酸に対する抗酸化性は, 褐変度と深い関係を示した。4) 長く放置褐変したBGAは, 分子量が比較的高い領域の褐変生成物質と, 比較的低い領域の褐変生成物質に分画された。5) 長く放置褐変したBGAでは, 高分子の褐変生成物質のフラクションと, 低分子の褐変生成物質のフラクションの中間フラクションに抗酸化性を認めた。
著者
小柳津 周 荻原 博和 成瀬 宇平
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.305-311, 1989-12-20
被引用文献数
1

白焼きうなぎの保存性を高める目的で、低温貯蔵における"たれ"と脱酸素剤封入包装の効果について検討した。白焼きうなぎに"たれ"を塗ったものと、"たれ"を塗らないものについて、それぞれKON/PE製の袋に脱酸素剤とともに包装して、2℃および5℃での貯蔵試験を行い、"たれ"を塗らないPE包装のものと微生物学的、理化学的に比較検討し、次のような結果を得た。1)"たれ"と脱酸素剤封入包装を併用した区で、菌の増殖および脂質の酸化に対する抑制効果が認められた。2)大腸菌群の増殖に対し、5℃においては"たれ"と脱酸素剤封入包装の顕著な併用効果が見られなかったが、2℃においては顕著な併用効果が見られた。3)保存温度では、低温の2℃でより顕著な保存効果が認められた。