著者
渡辺 馨 小森 智康 梅田 哲夫 浦野 丈治 及川 芳明 荒蔭 雅治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.98, no.277, pp.9-16, 1998-09-18
被引用文献数
2

NHKでは、MPEGおよび電波産業界に協力して、計2回のMPEG-2 AACオーディオ符号化の2チャンネルステレオの主観評価テストを行った。この主観評価テスト方法及びテスト結果について報告する。この主観評価テストは、ITU-R勧告BS-1116に従って行った。この結果、2回の主観評価テストは連続性が保たれていること、128kbps/stereoのAAC Mainプロファイル, 144kbps/stereo以上のLCおよびSSRプロファイルはITU-Rの放送品質を満足すること、が明らかとなった。
著者
三島 剛 萩原 愛子 伊藤 均 小森 智康 堀川 大輔 川瀬 直也 佐藤 庄衛
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.729-735, 2020 (Released:2020-06-26)
参考文献数
11

放送局では番組制作に必要な構成資料や放送原稿などを作成するため,取材した映像素材の発話を文字に変換する書き起こしを活用している.しかし書き起こしを制作する作業は多くの労力を要し,迅速な番組制作の妨げになっている.そのためわれわれは音声認識技術を用いた書き起こし支援技術の研究を進めている.この中では書き起こしの作業時間短縮に加え,記者会見などのライブ素材の書き起こしや複数人での協調作業など,番組制作のワークフローを考慮することで迅速に番組を制作して視聴者に情報を届けることを目指している.本システムの有効性を検証するため放送現場に試行用のシステムを導入し,改善項目の収集や利用状況の調査を継続して実施した.この試行運用を契機に書き起こしシステムの有用性が放送現場に認められ,現在はNHKの全放送局で本システムが活用されている.
著者
庄田 清武 橋本 和男 熊谷 正志 小森 智康
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.2-7-1-_2-7-2_, 2010

Authors are seeking universal services to be applied to broadcasting. As the one of them, we focused on assisting elderly viewers in audio, and built an audio processing system. The processes are based on compensating their hearing characteristics. Viewers can listen to the programs with processed audio without special devices.
著者
小森 智康 都木 徹
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会冬季大会講演予稿集 (ISSN:13434357)
巻号頁・発行日
vol.2009, pp._4-9-1_, 2009

We conducted subjective evaluation on the relationship between TV volume and background sound level for the elderly. The participants themselves found no hearing problem, but they had small hearing loss. The results showed that positive subjects of recruitment phenomena annoyed louder than negative subjects when they listened at loud volume.
著者
小森 智康 都木 徹 及川 靖広
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.J172-J178, 2017

高齢者では,聴力レベルの低下などの原因により,番組の背景音がうるさく感じてナレーションなどのダイアログが聞きとりにくくなることが知られている.背景音を小さくすることで,ダイアログは聞きとりやすくなるが,若年者にとっては番組演出の効果を小さくしすぎてしまうことがある.すなわち,若年者と高齢者にとって好ましい再生方法としては,背景音とダイアログのバランスを変えずに,音質も劣化させずに,聞きとりやすくする方法が必要となる.そのための基礎検討として,若年者および高齢者を対象として,ナレーションやセリフなどのダイアログと,ノイズや音楽などの背景音を,前および上や横方向に配置されるスピーカを使用し,ダイアログと背景音の再生方向を変えた場合のダイアログの聞きとりの正答率を調査した.単語と音楽の組合せでは,単語と音楽を前方向から再生する場合と比較して,単語を上方向から再生することで,高齢者で25%以上,若年者で15%以上,正答率が改善することを確認した.これらの実験結果により,空間的なマスキングリリースを利用することで,背景音がある場合に,その再生レベルを維持したままで,高齢者にも聞きとりやすい音響再生方法を実現するための知見を得たので報告する.
著者
小森 智康 今井 篤 清山 信正 田高 礼子 都木 徹 及川 靖広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.76, pp.107-112, 2013-06-06

高齢者は放送番組の背景音(音楽・効果音)をうるさく感じたり,アナウンサーや役者の音声が不明瞭で聞きづらく感じたりすることがある.これに対し,家庭側(受信機側)で高齢者に適した番組音声に調整する装置の開発を進めている.音声区間(ナレーション・セリフと背景音が混在する区間)では,ステレオ背景音の無相関な成分を抑圧し,相関成分では音声の母音や子音の音響的な特徴をフィルタ処理により強調し,非音声(背景音だけの)区間は,ゲイン制御のみによる劣化のない抑圧を行なうことで,番組全体での音質劣化を抑制する手法を提案した.提案手法により6dB相当番組背景音を抑圧できることを主観評価で確認し,高齢者視聴実験により番組音が聞きとりやすくなることを確認した.