1 0 0 0 成熟と喪失

著者
小此木啓吾 小川捷之編集
出版者
至文堂
巻号頁・発行日
1980

1 0 0 0 統合と拡散

著者
小此木啓吾 小川捷之編集
出版者
至文堂
巻号頁・発行日
1980

1 0 0 0 自律と依存

著者
小此木啓吾 小川捷之編集
出版者
至文堂
巻号頁・発行日
1980
著者
小此木啓吾 及川卓著
出版者
中山書店
巻号頁・発行日
0000
著者
柏瀬 宏隆 池上 秀明 中野 嘉樹 岩田 長人 小此木 啓吾 五島 雄一郎
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.49-54, 1981-02-01

かつて我々は, 慶応健康相談センター(いわゆる人間ドック)を2年間に受診した全患者の心身両面につき, ライフサイクルの立場から検討したことがある。人間ドックは本邦で発達した特異な医療施設であり, 健康保険が適応されず, 受診者は社会経済的に中流以上にあると考えられる。今回は, ドック受診者で65歳以上の一般に健康と考えられる老年層のCMI(約200項目)と臨床検査所見につき, 壮年層(30〜39歳)を対照にして比較検討し, いくつかの知見を得たのでここに報告する。(1) 身体的自覚症には, 「disturbance of visual acuity」〔眼〕(対象老年層の90%以上), 「loss of more than half the teeth」〔歯〕(70%以上), 「urtination at night」(60%以上), 「disturbance of hearing」〔耳〕(40%以上)などが高頻度に認められた(老年層に有意)。「Disturbance of visual acuity」は, 自覚症としてだけでなく検査所見でもほとんどの老年層に認められ, 個人差の少ない普遍的な老化過程の指標の一つとみなされる。(2) 精神的自覚症をみると, 「depression」と「tension」に関係する項目の頻度が少なく, 逆に「sensitivity」と「anger」についての頻度が多かった。これは, 「depression」と「tension」は日本人に普遍的感情なため一般的には自覚されにくいのではないかと考えられた。(3) その他, 老年層に有意に多い愁訴には, 「insomnia」(40%以上), 「making mistakes when doing things in a hurry」(20%以上), さらに頻度は少ないが「hopelessness」(10%以下)などがあった。(4) CMIを老年層に施行するときは, 老化過程を反映しやすい「memory」と「sexual function」の項目を追加するように改訂すべきである。(5) 「Disturbance of hearing」, 「hypertension」, 「cardiac diseases」や「diabetes mellitus」などの疾患は, 自覚症は目立たず, ドック検査ではじめて指摘される可能性が高い。