著者
松木 邦裕 大山 泰宏 立木 康介
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

日本の精神力動的心理療法のトレーニングの質を高めるための具体的な方策を検討すべく,米国,ドイツ,イギリス,フランスの力動的心理療法家養成のシステムおよびその実態に関して,養成に関わる人物の招聘やシンポジウム,および研究者による現地の訪問での参与観察や資料の収集を行ない,日本におけるトレーニングの問題点を明らかにした。とりわけ日本では,スーパービジョンや実地研修の不足,事例を見立てる上での構造の不在が指摘された。そして,日本の文化的文脈等を自覚化しつつ,その改善の方向を具体的に討議し,より適切な訓練のモデルを構想した。また,見立て,臨床像記述の方法論等を検討し,実際の訓練に適用した。