- 著者
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森下 諦三
野田 茂行
小沢 知雄
- 出版者
- 社団法人日本造園学会
- 雑誌
- 造園雑誌 (ISSN:03877248)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.3, pp.16-24, 1974-12-20
各種産業の工場では,有機性排水を活性汚泥法により処理している。その際の活性スラッジの成分は,ズーグレア,ワムシ,原生動物から成りたっている。したがって,生物処理スラッジの主体は,蛋白質で,有機質肥料として活用出来るものである。著者らは,スラッジの肥効を,ノイバウエル幼植物試験法,土壌中の無機化分解実験(砂質または粘土質土壌使用)および排水の消化工程で添加される凝集剤の影響テストにより検討した。さらに,活性スラッジの芝草に対する肥効と土壌改良性を,市販の類似資材と比較して調査を行なった。結果のまとめ(1)活性スラッジは,なたね油粕やニシン荒粕と同よう,緩効性の肥効を示し,かつまた,油粕施用時の生育障害を認めなかった。(2)凝集剤の添加は,一般に発芽率を稍低下させ,また無機凝集剤の中で,消石灰がリン酸の肥効に最も悪い影響を与えた。(3)芝草に対する活性スラッジの肥効は,その地上部より地下部によく現れる。(4)芝生への活性スラッジの施用は,踏圧による土壌の硬化を軽減する。(昭和48年10月21日,日本造園学秋季大会発表)