- 著者
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川口 孝泰
鵜山 治
西山 忠博
小河 幸次
飯田 健夫
- 出版者
- 一般社団法人 日本人間工学会
- 雑誌
- 人間工学 (ISSN:05494974)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.5, pp.261-270, 1998
- 被引用文献数
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本研究は, head-up を伴う体位変換介助時において, 被介護者に変換を"事前予告"しておくことが循環調節にどのような影響をもたらすかを, 自律神経機能および脳循環の測定により検討した. 実験は, 健康成人12人 (男性6人, 女性6人) に対して, head-up と同時に声をかけながら70°head-up tilt (仰臥位から座位) を他動的に実施【事前予告なし】と, 5分前から1分ごとに体位変換を予告して70°head-up tilt を実施【事前予告あり】の2条件で行った. その結果,<br>1) head-up 後の平均RR間隔は"事前予告あり"のほうが短くなった (p<0.05).<br>2) head-up 前のLF/HF値は, 3分前頃から"事前予告あり"のほうが有意に高くなった (p<0.01).<br>3) 脳循環は head-up により, oxy-Hb および total-Hb が低下した. 特に"事前予告あり"では, head-up 前に oxy-Hb に上昇がみられた.<br>本研究により, head-up を伴う体位変換の前に"事前予告"を行うことで, head-up 後の循環調節の準備状態に入ることが明らかとなった.