著者
小泉 丈晴 山崎 博子 大和 陽一 濱野 惠 高橋 邦芳 三浦 周行
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.205-208, 2002
被引用文献数
17

アスパラガス促成栽培における若茎の生育に及ぼす品種,低温遭遇量,株養成年数および性別の影響を検討した.<br> 曲がり症は,低温遭遇にともない発生率が低下し,曲がり症を発生した若茎に立枯病の病徴である導管褐変がみられなかったことから,促成栽培における曲がり症は休眠覚醒が十分でないことにより発生すると推定された.2年生株の供試品種のいずれにおいても,販売可能若茎重および若茎収穫本数は低温遭遇量が多い区で増加した.'バイトル'および'ウェルカム'は,低温遭遇量が少なくても曲がり症発生率が低下し,販売可能若茎重および若茎収穫本数が増加し,'グリーンタワー'および'スーパーウェルカム'より休眠が浅いと考えられた.'グリーンタワー'の1年生株の雄株および雌株並びに2年生株の雄株では,曲がり症発生率および販売可能若茎重から判断すると,伏せ込み開始時期は2年生株を用いた従来の栽培よりも約2週間の前進が可能であることが示された.<br>
著者
小泉 丈晴 剣持 伊佐男 町田 安雄
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.275-278, 2003 (Released:2008-02-19)
参考文献数
18
被引用文献数
9 9

アスパラガス‘グリーンタワー’の1年生株を用いた養成時の生育と促成栽培における若茎の収穫量および品質の雌雄間差を検討した. 1.アスパラガスの養成株における雌雄間の形態的な差異として,雌株は雄株に比べて草丈および第1側枝の位置が高い傾向がみられた.雌の1年生株は,果実の着生が少なく,雌雄間での発生茎数の差がなく,雌株は雄株に比べて茎径が太く成育が旺盛であった. 2.1年生株の促成栽培では,若茎発生数には雌雄間差はなく,雌株は1本重が重いL規格の発生数が多く,若茎重の合計で雄株より優った. 3.雌株が雄株に比べ若茎頭部のしまりが良く,りん片葉のアントシアニン発生が少なかった. 4.以上のことから,1年生株を用いた促成栽培では,雌株を判別して用いた方が有利であると判断された.
著者
小泉 丈晴 剣持 伊佐男 町田 安雄
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.275-278, 2003-12-15

アスパラガス'グリーンタワー'の1年生株を用いた養成時の生育と促成栽培における若茎の収穫量および品質の雌雄間差を検討した.1.アスパラガスの養成株における雌雄間の形態的な差異として,雌株は雄株に比べて草丈および第1側枝の位置が高い傾向がみられた.雌の1年生株は,果実の着生が少なく,雌雄間での発生茎数の差がなく,雌株は雄株に比べて茎経が太く生育が旺盛であった.2.1年生株の促成栽培では,若茎発生数には雌雄間差はなく,雌株は1本重が重いL規格の発生数が多く,若茎重の合計で雄株より優った.3.雌株が雄株に比べ若茎頭部のしまりが良く,りん片葉のアントシアニン発生が少なかった.4.以上のことから,1年生株を用いた促成栽培では,雌株を判別して用いた方が有利であると判断された.
著者
小泉 丈晴 工藤 暢宏 立石 亮 野村 和成 井上 弘明
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.11-16, 2008 (Released:2008-01-25)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

‘愛知早生ブキ’などの三倍体品種の雌株に花粉稔性のある群馬県在来‘水ブキ’(雄株)を交配し,実生作出の可能性について明らかにした.さらに,‘愛知早生ブキ’と群馬県在来‘水ブキ’(雄株)との交配により,得られた実生の特性を明らかにした. 1. フキの三倍体品種である‘愛知早生ブキ’,徳島県在来‘水ブキ’および‘吉備路’の雌株に群馬県在来‘水ブキ’(雄株)を交配することにより稔実種子が得られた.‘愛知早生ブキ’では採取した種子の2.0%,徳島県在来‘水ブキ’と‘吉備路’の種子では0.4%の出芽がみられた. 2. ‘愛知早生ブキ’と群馬県在来‘水ブキ’(雄株)の交配により得られた実生は,交配親に比べて,葉柄の生育が旺盛なものや葉柄部にアントシアニンの発生が無いものがみられた. 3. フローサイトメトリーによる相対的核DNA量の測定から‘愛知早生ブキ’と群馬県在来‘水ブキ’(雄株)の交配により得られた実生について倍数性を推定すると,‘AM-35’は二倍体,‘AM-1’と‘AM-51’は異数体と考えられた. 4. ‘愛知早生ブキ’と群馬県在来‘水ブキ’(雄株)の交配により得られた実生から選抜した‘AM-1’は,早生性で葉柄部のアントシアニンの発生は少なく,収量も多いことから,育種目標に適した有望な系統であった.この組み合わせ交配から得られた実生個体の選抜により,新たな葉柄収穫用品種が育成できる可能性があると考えられた.
著者
小泉 丈晴 山崎 博子 大和 陽一 濱野 惠 高橋 邦芳 三浦 周行
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.205-208, 2002-09-15
被引用文献数
3

アスパラガス促成栽培における若茎の生育に及ぼす品種, 低温遭遇量, 株養成年数および性別の影響を検討した.曲がり症は, 低温遭遇にともない発生率が低下し, 曲がり症を発生した若茎に立枯病の病徴である導管褐変がみられなかったことから, 促成栽培における曲がり症は休眠覚醒が十分でないことにより発生すると推定された.2年生株の供試品種いずれにおいても, 販売可能若茎重および若茎収穫本数は低温遭遇量が多い区で増加した.'バイトル'および'ウェルカム'は, 低温遭遇量が少なくても曲がり症発生率が低下し, 販売可能若茎重および若茎収穫本数が増加し, 'グリーンタワー'および'スーパーウェルカム'より休眠が浅いと考えられた.'グリーンタワー'の1年生株の雄株および雌株並びに2年生株の雄株では, 曲がり症発生率および販売可能若茎重から判断すると, 伏せ込み開始時期は2年生株を用いた従来の栽培よりも約2週間の前進が可能であることが示された.