著者
小泉 真理子 濱野 保樹 萩野 正昭 佐伯 知紀 櫻井 英里子
出版者
京都精華大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

戦後、連合国総司令部(GHQ)は日本を統治する手段として文化を用いた。映画演劇を通じて日本人の民主主義の意識形成に関わった人物に、民間情報教育局の映画班長であったデヴィッド・コンデがいるが、その人生については明らかになっていないことが多かった。本研究では、彼がカナダのブリティッシュ・コロンビア大学図書館に自己の大量の記録を寄贈していることを発見したため、本資料を入手、整理し、デジタル化して公開した。本研究は、米国による対日文化政策の全貌解明に寄与することが期待される。
著者
濱野 保樹 小泉 真理子 田中 康之
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

コンテンツ産業はコスト病の発症を先延ばしさせるため、複製技術で市場を拡大し、ウインドウと呼ばれる流通に関する技術革新で、新たな市場を作り出してきた。それらの市場が飽和すると、労働集約的であるため、再びコスト病に陥ってしまうが、アメリカは海外市場拡大で、また日本は制作費抑制で、コスト病発生を先伸ばしできた。しかし、日本のコンテンツ産業において生産性の向上ができないとすれば、制作費を抑制できなくなり、コスト病に陥る可能性が高い。
著者
小泉 真理子 上條 由紀子 寺田 遊
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.156-157, 2018-09-03 (Released:2018-05-18)
参考文献数
3

2000年以降、経済や外交において文化の影響力が注目されている。その中で、戦後直後に現在の日本文化の基礎がいかに築かれたかを探究することは必須である。しかしながら、国内において当時の関係資料の多くは失われている。本研究では、米国大学所蔵の貴重な文化資料を、国内外で誰もが閲覧可能にすることを目的とし、グローバルな産学の連携により、デジタル化と公開作業を実施している。具体的には、ハワイ大学マノア校図書館の、連合国最高司令官総司令部が1945年から4年間に日本において検閲した歌舞伎脚本の英語版原本(“Stanley Kaizawa Kabuki Collection”)をデジタル化・テキスト化し、一部をインターネットで公開予定である。今後は資料の背景をヒアリング調査等により明らかにする。本研究が、占領期の日本における表現活動の実態を多面的に明らかにすることに寄与し、日本文化史の欠落を補う一助となるとともに、米国の対日文化政策等の関連研究を誘発することが期待される。