著者
佐野 和弥 伊藤 和也 田中 剛 末政 直晃 小浪 岳治 谷山 慎吾
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.22-00204, 2023 (Released:2023-03-20)
参考文献数
36

宅地擁壁の中でも空石積擁壁の地震時被害が多く発生している.しかし,施工性や施工費に課題があり宅地擁壁に最適な補強方法は存在しない.そこで,擁壁の天端から縦方向に斜杭を打設し,補強材頭部と擁壁上部を一体化させ,補強材の役割の一部を既存擁壁に担わせる簡易な耐震補強法を考えた.本研究では,その補強方法について,補強領域の大きさや補強材設置角度が補強効果に与える影響を検討するため,遠心場での傾斜土槽実験を実施した.その結果,斜杭と擁壁の距離を短くした補強擁壁では補強材に大きな引張方向の軸力が,擁壁には圧縮力が働くことで高い補強効果が見られた.一方,斜杭と擁壁の距離を長くした補強擁壁では補強領域内で崩壊が発生する内部崩壊の発生が見られた.
著者
大野 孝二 宮田 喜壽 小浪 岳治 弘中 淳市 金子 智之
出版者
国際ジオシンセティックス学会 日本支部
雑誌
ジオシンセティックス論文集 (ISSN:13446193)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.183-188, 2010

精度の高いライフサイクルコスト評価には,初期建設・維持管理・災害復旧などに要する各種費用の算定法が重要になる.本研究では,ジオグリッド補強土壁を道路構造物に適用したケースを想定し,上記コストの算定法について検討した.一連の検討において,初期建設費・維持管理費に関しては,国土交通省の技術報告書や建設物価を参照して検討した.災害復旧費に関しては,全面復旧を行う場合を対象に費用の算定法を検討した.本論文はそれらの費用の標準的算定法を示し,ジオグリッド補強土壁,L型擁壁,無補強盛土における各種費用を比較する.本文の内容は,IGS日本支部技術委員会第4ステージ(2007-2009)の成果の一部である.