著者
小谷 斉之 大内 茂人 稲葉 毅
出版者
釧路工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本事業は災害現場等の危険領域探査や遠隔地への自律搬送への利用が期待できるCMG搭載型無人二輪車の開発を目的とし,CMGを疑似荷重移動装置として応用した高機動化制御の制御系設計と制御手法の確立および外界センサ測定による周囲環境に応じた自律走行制御を目指している。2輪バイクによる旋回走行では予め車体をバンクさせる必要があるため,適切なタイミングでCMGによる疑似荷重移動によって車体のバンク動作をさせながら滑らかな旋回走行が実現可能となる。そこで,適切なタイミングを図れるように,走行可能な領域と回避すべき障害物を事前に把握するための周囲環境測定を行う。昨年度の研究計画では,自律走行制御のための周囲環境測定手法としてステレオカメラを用いた自己位置推定を当初予定していたが,研究に遅れが出たため,膨大なデータ容量管理と構築に時間がかかる本方式から修正し,レーザー測域センサ方式を用いて処理を軽減した周囲環境構築を行うように研究計画を変更して実施した。しかしながら,コロナウィルス予防による度重なる自粛要請の影響によって実験機を用いた実験データを取得することができなかった。このため,十分な実験に基づいた有効性を検証できていないため,国内外での発表ができていない現状である。
著者
大内 茂人 小谷 斉之 稲葉 毅 宮下 朋之 井上 健人
出版者
一般社団法人 日本UAS産業振興協議会
雑誌
次世代移動体技術誌
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.32-43, 2020

近年,急速に応用が広がっているドローンであるが,突風など悪天候時の飛行は困難である。このような問題を解決する手段としてローターのピッチ制御・回転速度の制御などが考えられるが,飛行を行うためのロータを飛行安定性のために使うことは墜落の要因となり得る。一方,高速で回転する円盤の力を利用して宇宙ステーションの姿勢制御,クレーン吊り荷や船の揺れ止めなどを行う CMG(コントロール・モーメント・ジャイロ)が知られている。本論文では,開発の第一ステップとしてロール軸方向のトルクを発生する CMG をドローンの姿勢制御に適用,実験を行った結果得られた顕著な効果を紹介する。