著者
原 進 満倉 靖恵 上出 寛子
出版者
Japan UAS Industrial Development Association
雑誌
次世代移動体技術誌 (ISSN:24355453)
巻号頁・発行日
vol.3, no.6, pp.81-90, 2022 (Released:2022-09-07)
参考文献数
8

近年,空飛ぶクルマに関する技術が国内外で盛んに研究されている。しかし,空飛ぶクルマやドローンなどの社会受容性については,まだ十分に研究されていない。社会受容性に関する十分な検討を行っていないと,今後ドローンの産業利用や空飛ぶクルマの普及により到来する「空の産業革命」が健全に浸透せず,新たな社会問題が発生することも予想される。そこで,社会受容性評価の方法として二つのアプローチを組み合わせた方法を提案する。一つはアンケートによる社会心理学的評価である。もう一つは感性アナライザを用いた脳波計測によるリアルタイム評価である。著者らは前報において騒音に対するストレスの有無を判定するために感性アナライザが適用可能であることを,ロータが発生する定常音や金属がキンキンと発生する非定常音など,複数の種類の音源を用いた実験により明らかにした。本研究では,前報と異なり音源を頭上通過する産業用ドローンの飛行音に限定し,その音量を変えながら何度も聞くことにより発生する,アンケート評価と脳波計測によるストレス評価の違いについて明らかにして,将来の社会受容性調査方法の策定に有用な知見を与える。
著者
森下 明平
出版者
一般社団法人 日本UAS産業振興協議会
雑誌
次世代移動体技術誌 (ISSN:24355453)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.72-79, 2020 (Released:2020-11-12)
参考文献数
6

ドローン用の同期モータでは,集中巻多極多スロット構造と SPMSM(表面磁石同期モータ)構造が一般的である。ドライブ装置も 120 度通電方式が採用されている。一方,一般産業用モータでは,小型化・高効率化が重要課題であることから,極数╱スロット比が 2 対 3 や 4 対 3 のものが多く,ドライブ装置も 180 度通電方式で,特にハイブリッド自動車や電気自動車ではベクトル制御が適用される。本稿では,ドローン用モータが一般産業用モータと異なる構造・駆動方式を採用している必然性を明らかにするとともに,ハルバッハ配列界磁をドローン用モータに適用するとこれらの必然性が消滅し,ドローン用モータ╱ジェネレータの小型化・高効率化が実現できる可能性を論じる。
著者
大原 大
出版者
一般社団法人 日本UAS産業振興協議会
雑誌
次世代移動体技術誌 (ISSN:24355453)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1-11, 2022 (Released:2022-03-16)
参考文献数
20

2022年,ドローンは有人地帯における目視外飛行(BVLOS)が可能となり,貨物輸送などを含めてチームでの利活用を行う場面が増えることが想定される。有人航空機では,複数人によるチームでヒューマンエラーを防止し安全運航を行うための手法として,CRM(Crew Resource Management)と呼ばれるスキルがあり,運航に携わる者は定期的な訓練でスキルを維持することが求められている。航空機事故は約6-8割が人的要因によるものと指摘されているため,ドローン関連人材の育成においてもCRMを有効活用することで事故防止に貢献できると期待される。
著者
吉澤 匠 吉澤 穣 吉澤 慧 子安 玲
出版者
一般社団法人 日本UAS産業振興協議会
雑誌
次世代移動体技術誌 (ISSN:24355453)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.80-88, 2020 (Released:2020-11-12)
参考文献数
7

XY 分離クランク機構は,著者等によって考案された新しい直線運動機構である。これはコネクティングロッドの揺動を無くし,ピストン変位を正弦波形にすることで,高次の振動が発生しない。著者らは,本機構をエンジン機構部に組み込み,機構とシリンダを鏡像的に配置することで,一次振動の解消と,機構自体の効果により二次,三次振動の極小化を実現し,極低振動・高速回転が可能な新構造エンジンを製作した。本報では,製作した XY 分離クランク機構鏡像配置二気筒エンジンの極低振動性について報告するとともに,ドローンへの応用可能性について述べる。
著者
大内 茂人 小谷 斉之 稲葉 毅 宮下 朋之 井上 健人
出版者
一般社団法人 日本UAS産業振興協議会
雑誌
次世代移動体技術誌
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.32-43, 2020

近年,急速に応用が広がっているドローンであるが,突風など悪天候時の飛行は困難である。このような問題を解決する手段としてローターのピッチ制御・回転速度の制御などが考えられるが,飛行を行うためのロータを飛行安定性のために使うことは墜落の要因となり得る。一方,高速で回転する円盤の力を利用して宇宙ステーションの姿勢制御,クレーン吊り荷や船の揺れ止めなどを行う CMG(コントロール・モーメント・ジャイロ)が知られている。本論文では,開発の第一ステップとしてロール軸方向のトルクを発生する CMG をドローンの姿勢制御に適用,実験を行った結果得られた顕著な効果を紹介する。