- 著者
-
小野 克彦
- 出版者
- 名古屋工業大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2011
我々は、有機π電子系にホウ素キレートを導入すると分極構造が誘起され電子受容性が発現することを見出した。本研究では、このコンセプトを用いて高性能なn型有機半導体の開発を目指した。分極構造によって発生する正電荷は電子受容性の発現には必要であるが、正電荷間で生じる静電反発によりπ電子系が不安定になる。これを本研究の解決すべき課題と考え、ビチオフェン誘導体の改良を行った。πスペーサとして二重結合や三重結合を導入し、正電荷間で生じる静電反発の減少を調査した。加水分解反応の速度論解析と電気化学測定から、二重結合をもつ分子で静電反発の大幅な減少が確認された。