著者
吉岡 潔志 松本 智博 中村 晃大 土屋 吉史 瀬古 大暉 北嶋 康雄 沢田 雄一郎 小野 悠介
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11714, (Released:2020-07-10)
参考文献数
36

【目的】アンドロゲン低下による球海綿体筋・肛門挙筋の筋萎縮に対する自走運動の効果を検証し,併せて,アンドロゲン低下による筋萎縮が他の骨盤底の筋にも共通する特徴であるかを検証する。【方法】3 ヵ月齢雄性マウスを対象とし,去勢術を施す群,去勢術後に自走ケージで飼育する群,偽手術群に無作為に分けた。手術から8 週間後に,後肢筋および骨盤底筋の重量,筋線維直径を測定した。【結果】後肢筋の重量に3 群間で差はみられなかった。球海綿体筋と肛門挙筋は去勢により顕著に萎縮したが,自走運動による変化は認められなかった。長趾伸筋の筋線維直径は去勢の影響を受けず,尿道括約筋では有意に小さい値を示した。【結論】全身性の自走運動ではアンドロゲン低下による球海綿体筋,肛門挙筋の萎縮を抑制することができなかった。また,アンドロゲン低下による筋萎縮は,骨盤底筋に共通して見られる,身体部位単位での筋の特徴であることが示唆された。