著者
小黒 芳男 大久保 堯夫
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.141-146, 1986
被引用文献数
1

人力による片手持ち型運搬作業における取り扱う運搬物の至適重量, 作業後の回復時間などの作業条件を検討するための基礎的資料を得る目的で, 青年男子10人を被験者として, 取り扱う運搬物の重量の違う7通りの片手持ち型運搬作業を行わせ, 作業時の心拍数, 体温, 血圧, 疲労感調査などを測定し, 取り扱う運搬物の重量の違いと作業負担との関係を明らかにした.その結果, 心拍数, 最高血圧値およびおよび疲労感調査は取り扱う運搬物の重量とは密な相関関係があり, それぞれ回帰方程式が得られた.また, これらの指標を基にして, 総合的な判断を行うと, 取り扱う運搬物の重量については, 被験者の体重に対する30〜35%程度以下までは許容できるものと考えられる.そして, 作業後の回復時間については, 重量の5%増ごとに作業の実働時間に対して23%程度増の休憩時間が必要であることがわかった.
著者
小黒 芳男
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.51, no.464, pp.p893-900, 1985-04

5名の男子被験者に運搬物の重量の違う7通りの歩行を伴う肩かつぎ形運搬作業を行わせ,歩幅,遊脚時間および歩行速度について,運搬物の重量の違いとの関係を明らかにした.一般的には,運搬物の重量が増せば,1歩当たりの歩幅は短かくなり,歩行速度も遅くなる.また,1歩当たりの遊脚時間値は相対的に影響を受け難いが,同一歩行距離に対する歩行数は,1歩当たりの歩幅が短かくなった分だけ多くなるので所要時間値は増加する.