著者
大久保 堯夫
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.319-326,I, 1967-10-30 (Released:2010-03-11)
参考文献数
6

Physiological reactions during the tunnel driving under various illumination conditions were studied to assure the safe driving. Heart rate of the driver increased by 60-80% of the resting level while driving through the tunnel.If the tunnel lights were experimentally turned off but immediately put on again, no significant increase of heart rate was observed. Heart rate increase was as low as 10-20% if the switching-off of the lights was short and had been expected.Unexpected turning off of the illuminaton some-times caused abnormal rise of heart rate, accompanying inadequate driving performances. It was concluded that the poor illumination, abrupt change of the brightness or lack of emergency power supply are relevant to higher accident rate and should be avoided.
著者
馬塲 美年子 一杉 正仁 大久保 堯夫
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.12-17, 2013 (Released:2014-09-25)
参考文献数
21

交通事故の原因の約1割は,運転者の体調変化に起因すると言われており,今後の効果的予防策として,運転者の体調管理が挙げられる。特に,規制緩和の影響などにより労働環境が厳しい状況にあるタクシー業界では,運転者の高齢化も顕著であり,他の事業用自動車の運転者より,健康起因事故の発生率が高い。タクシー運転者では,脳血管疾患や心疾患の危険因子を持つ人が多いことが指摘されてきた。タクシー運転者の健康起因事故を予防するために,事業者と運転者,産業医の連携が必要であると思われる。さらに,業界や国などによる健康管理へのサポート制度の導入などが望まれる。(図4)
著者
川上 満幸 福井 英俊 松本 修一 大久保 堯夫
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.117-123, 2000-02-01 (Released:2011-07-19)
参考文献数
15
被引用文献数
3 3

Today we live in a highly technological and car-oriented society. Car access has achieved noticeable developments and grown on a worldwide level. Along with the social benefits of the automobile, it is a widely known fact that major accidents and loss of life are occurring at increasing rates in almost every society today.This paper describes the effect of using a mobile phone on a driver's reaction time was evaluated experimentally by measuring the movement of the driver's eye-fixation point and his reaction time when a stimulus light was shines on his face from inside or outside the car.The results showed that using a mobile phone while driving (1) reduces the movement of the eye-fixation point to both the right and to the left, thus narrowing the range of the fixation point, and (2) delayed the reaction time by about 0.2 seconds. It also proposed the desirable position of setting up a visual display.
著者
小黒 芳男 大久保 堯夫
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.141-146, 1986
被引用文献数
1

人力による片手持ち型運搬作業における取り扱う運搬物の至適重量, 作業後の回復時間などの作業条件を検討するための基礎的資料を得る目的で, 青年男子10人を被験者として, 取り扱う運搬物の重量の違う7通りの片手持ち型運搬作業を行わせ, 作業時の心拍数, 体温, 血圧, 疲労感調査などを測定し, 取り扱う運搬物の重量の違いと作業負担との関係を明らかにした.その結果, 心拍数, 最高血圧値およびおよび疲労感調査は取り扱う運搬物の重量とは密な相関関係があり, それぞれ回帰方程式が得られた.また, これらの指標を基にして, 総合的な判断を行うと, 取り扱う運搬物の重量については, 被験者の体重に対する30〜35%程度以下までは許容できるものと考えられる.そして, 作業後の回復時間については, 重量の5%増ごとに作業の実働時間に対して23%程度増の休憩時間が必要であることがわかった.
著者
澤 貢 宇賀神 博 大久保 堯夫 芳賀 繁
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.202-210, 2001-10-15
被引用文献数
5

本研究の目的は運転時間の長さが運転士に及ぼす影響について, 妥当さと簡便さを併せもつ新たな質問票を開発することである.研究方法は一継続作業時間が100分, 200分並びに400分のシミュレータによる列車運転作業実験に適合した主観データを用い, 負担評価に表れた因子を分析するとともに, 抽出した各因子とパフォーマンスおよび生理・心理反応との関連性を検討した.実験課題は運転時刻表にしたがい最高速度140km/hの運転を行うことであり, 1区間23分の周回路線を5周, 9周または17周することにより, 運転時間が約100分, 200分, 400分となるように設定した.被験者は20歳から24歳の男子大学生計19名とした.研究の結果, 作業経過に伴う自覚感として, (1)眠気・疲労, (2)負担に抗する努力, (3)あき・集中困難の3因子の重要性を指摘した.「眠気・疲労」と「あき・集中困難」は作業継続に伴う蓄積された負担の抽出に, 「負担に抗する努力」は注意や努力の心的エネルギーの抽出に有効である.現場への適用を容易にするために, 前記3因子を代表する項目を各々2個, 計6項目からなる質問票を作成し, 提案した.