著者
白川 葉子 高見沢 実 尹 莊植 水沼 淑子 嶋田 昌子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集 (ISSN:21878188)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.133-144, 2016 (Released:2017-08-10)

本研究は,外国人居留地としての歴史的背景と資産をもつ横浜山手に現存する個人所有の住宅(洋館)を取り上げ,その土地・建物の履歴・変遷に関する歴史的資料の調査と現所有者・居住者の聞き取り調査を行った。横浜山手には公開施設である「山手西洋館」,学校や教会が所有する元「住宅(洋館)」,個人所有の住宅(洋館)が現存しているが,そのうち個人所有は,21 棟であり,その多くは近年所有者を変えながらも,住まいとして機能し続けている。そしてその建物は,横浜山手において,地域の特徴を形成する重要な要素として,その存在意義を確立しているといえる。
著者
尹 莊植
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.295-302, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
15

本研究は、ヨコハマ市民まち普請事業のケーススタディから低未利用地における地域主体の持続的な利活用及び活動の可能性を探ることを目的とする。ヨコハマ市民まち普請事業のこれまでの実績からは、既存地域組織からテーマ型団体への提案主体の変化、公園・広場等の整備から交流・活動拠点の整備への提案内容の変化、公有地から私有地への整備場所の変化とともに、低未利用地が継続的に多く利活用されたことが確認できた。また、地域主体は低未利用地のメリットとして、経済性より立地性を高く評価しており、利活用時の支援として、利活用のための関連制度・制限へのアドバイスと地域内の遊休公有地の情報提供を多く必要としていることが確認できた。さらに、維持管理における課題として担い手不足と財政的な負担が多く指摘されている中、地域主体との積極的な連携から協力者を増やすことや行政機関との連携事業から財源を獲得することで低未利用地における地域主体の持続的な利活用及び活動を可能としていることを明らかにした。