著者
尾松 徳彦 岸本 理和 神立 進 小畠 隆行 入江 大介 若月 優 唐澤 久美子 安藤 裕 鎌田 正
巻号頁・発行日
2012-09-22 (Released:2014-06-14)

【背景】骨盤の不全骨折は、閉経やステロイドなど、骨粗鬆症が背景にあり、軽微な外力で引き起こされる骨折である。骨盤の放射線治療も、原因は不明であるが、骨盤の不全骨折の原因となる。骨盤の不全骨折は、仙腸関節部の頻度が高いと報告されている。【目的】放射線治療後に仙腸関節部に不全骨折をきたした症例の画像所見と経過観察による画像の変化を調べた。【方法】2007年1月から2009年12月までの間、子宮腫瘍(子宮頸癌15例、子宮内膜癌1例、子宮癌肉腫1例)により、骨盤に放射線治療を行った患者のうち、MRIで、仙腸関節部に不全骨折、放射線骨炎をきたしたと考えられる17例(37〜81歳、平均年齢:66.4歳)について、不全骨折の部位、不全骨折までの期間、不全骨折が診断された時点の、ADC(見かけの拡散係数) mapにおける、仙腸関節部不全骨折周囲の浮腫や炎症を反映していると考えられる周囲骨髄よりも高値を示す領域のADCの平均値、不全骨折診断後の経過をMRIで調べた。治療方法は、X線治療(外照射49.8〜60.6Gy、腔内照射23〜30Gy)が11例、重粒子線治療(72GyE/20fx)が6例であった。【結果】17症例中8例が両側仙腸関節、4例が右仙腸関節のみ、5例が、左仙腸関節のみであった。治療終了後から、不全骨折が診断されるまでの期間は、145〜891日(平均437.5日)であった。ADCの平均値は、0.899〜2.099×10-3mm2/sec(1.658×10-3mm2/sec)であった。不全骨折と診断される前のMRI画像では、ADC mapを含め、異常所見は認められなかった。不全骨折と診断してからMRIで経過観察できたのは7例であり、そのうち、3例は、MRIで骨折、炎症と考えられる異常信号は変化ないか、拡大した。4例では、無治療での経過観察で骨折、炎症が縮小した。骨折、炎症が縮小した4例は、平均のADCが、1.488×10-3mm2/secであり、平均よりも低い傾向が認められた。 JSAWI2012 第13回シンポジウム
著者
白土 博樹 本間 さと 玉木 長良 久下 裕司 伊達 広行 鬼柳 善明 畠山 昌則 金子 純一 水田 正弘 犬伏 正幸 但野 茂 田村 守 早川 和重 松永 尚文 石川 正純 青山 英史 作原 祐介 鬼丸 力也 阿保 大介 笈田 将皇 神島 保 寺江 聡 工藤 與亮 小野寺 祐也 尾松 徳彦 清水 伸一 西村 孝司 鈴木 隆介 ジェラード ベングア
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

いままでの先端放射線医療に欠けていた医療機器と患者のinteractionを取り入れた放射線治療を可能にする。臓器の動き・腫瘍の照射による縮小・免疫反応などは、線量と時間に関して非線形であり、システムとしての癌・臓器の反応という概念を加えることが必要であることが示唆された。生体の相互作用を追求していく過程で、動体追跡技術は先端医療のみならず、基礎生命科学でも重要な役割を果たすことがわかった。