著者
波平 知之 屋良 朝宣 伊村 嘉美 モハメド アムサド ホサイン
出版者
日本暖地畜産学会
雑誌
日本暖地畜産学会報 (ISSN:2185081X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.83-89, 2019

<p>沖縄地域における低温期の牧草生産を補完する目的で,ジャイアントスターグラス(GS)草地にイタリアンライグラス(IR)を追播し,2 水準の刈取処理(刈取高さ 5 cm と 15 cm)が GS 単播草地,IR 単播草地および IR 追播草地の乾物収量および栄養価に及ぼす影響について検討した.低温期における乾物収量への刈取高さの影響は GS 単播草地にのみ認められ,草地間で比較すると刈取高さ 5 cm の GS 単播草地が最も低い乾物収量となった.IR 単播草地と IR 追播草地では乾物収量に及ぼす刈取高さの影響は認められず,GS 単播草地に比べて高い乾物収量が得られた.各処理区における粗タンパク質含量に有意差は認められなかたが,<i>in vitro </i>乾物消化率はいずれの刈取高さでも IR 単播草地と IR 追播草地が GS 単播草地より 20 ポイント有意に高い値となった.粗タンパク質収量はいずれの草地ともに刈取高さ 15 cm で高く,可消化乾物収量は IR 単播草地と IR 追播草地では刈取高さ 5 cm において,GS 単播草地では刈取高さ 15 cm において可消化乾物収量が高くなる傾向を示した.以上のことより,IR 追播草地における刈取高さ 5 cm の刈取処理は,沖縄地域の低温期における草地管理として乾物収量および栄養価の面から効果的な管理技術であることが示唆された.</p>
著者
村田 正将 辻本 卓郎 玉城 政信 波平 知之 屋良 朝宣 仲村 一郎 石田 千華 鈴木 直人 二宮 恵介 風岡 雅輝
出版者
日本暖地畜産学会
雑誌
日本暖地畜産学会報 (ISSN:2185081X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.31-35, 2019

<p>沖縄地域で生垣として植栽されているケラマツツジ,ブッソウゲおよびクロトンにおける大気中のアンモニア除去能を評価するため,密閉型アクリルボックス(457 mm × 457 mm × 915 mm)を作成し,1%アンモニア水注入後のアクリルボックス内のアンモニア濃度の経時変化について検討した.アクリルボックス内のアンモニア濃度は時間の経過に伴い減少し,土壌のみの対照区より樹木を植えた処理区で有意(P < 0.01)に減少した.樹木によるアンモニア除去率はケラマツツジとブッソウゲがクロトンより有意(P < 0.01)に高く,その要因を各樹木の葉の特徴から検討した結果,最もアンモニア除去率が高かったケラマツツジは,ブッソウゲやクロトンに比べて鉢あたりの葉数および葉面積の値が高く,比葉面積の値が小さかった.このことから,肉厚で葉量の多い葉を有する樹木ほど大気中のアンモニア除去能が高くなることが示唆された.</p>