著者
山下 喬之 田口 光 長津 秀文 西田 徳和 東條 夏也
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.915-923, 2016 (Released:2016-12-22)
参考文献数
19
被引用文献数
4 2

〔目的〕理学療法士養成課程における,統一性や客観性が乏しい実習成績評価の問題点を改善する目的で,養成校と実習施設が教育目標と到達基準を明確に共有できる実習成績報告書を新しく開発する.〔対象と方法〕長期臨床実習で使用する実習成績報告書とする.従来の指導者主観の強い実習成績評価方法を学生の能力を客観的に評価可能なパフォーマンス評価概念のルーブリックを用いて作成した.〔結果〕養成校の教育目標と到達基準を明確に表記したルーブリック成績報告書が完成した.〔結語〕ルーブリックは実習成績のみならず新人教育,人事考課まで幅広く活用することができる先駆的な教育ツールで,今後の切れ目ない理学療法教育文化を構築する基盤となると考えている.
著者
山下 喬之 横山 尚宏 川元 大輔
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.517-521, 2022 (Released:2022-10-20)
参考文献数
24
被引用文献数
1

〔医学・医療系教育とVR〕近年,Virtual Reality(VR)の教育実践が盛んに行われ始め,効果検証も始まりつつあるが,理学療法教育分野での報告は少ない.〔先端技術教育と理学療法教育へのVR導入〕Information and Communication Technology(ICT)を活用した教育は,コロナ禍以降の進化も必要であり,VRは理学療法士養成教育においても業界の様々な課題を解決に導ける可能性を秘めている.〔開発と課題〕カメラとパソコン,通信環境のみで,仮想現実空間における臨床疑似体験を可能とする教材を開発した.導入コスト,映像編集・加工のスキル,通信環境や新しい教育方法に対する慣れに関する課題が挙げられた.〔実践案〕VRの導入を現実的にする提案を,既存のサービスを活用した教材配信,学習者既有のデジタル端末で視聴できる教材の制作と,簡易ゴーグルを使った方略の工夫としてまとめた.