著者
山下 喬之 田口 光 長津 秀文 西田 徳和 東條 夏也
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.915-923, 2016 (Released:2016-12-22)
参考文献数
19
被引用文献数
4 2

〔目的〕理学療法士養成課程における,統一性や客観性が乏しい実習成績評価の問題点を改善する目的で,養成校と実習施設が教育目標と到達基準を明確に共有できる実習成績報告書を新しく開発する.〔対象と方法〕長期臨床実習で使用する実習成績報告書とする.従来の指導者主観の強い実習成績評価方法を学生の能力を客観的に評価可能なパフォーマンス評価概念のルーブリックを用いて作成した.〔結果〕養成校の教育目標と到達基準を明確に表記したルーブリック成績報告書が完成した.〔結語〕ルーブリックは実習成績のみならず新人教育,人事考課まで幅広く活用することができる先駆的な教育ツールで,今後の切れ目ない理学療法教育文化を構築する基盤となると考えている.
著者
熊谷 友多 永石 隆二 木村 敦 田口 光正 西原 健司 山岸 功 小川 徹
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
pp.1109220008, (Released:2011-09-27)
参考文献数
15
被引用文献数
3 3

Zeolite is used for decontamination of radioactive water containing salts from seawater in the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Station. Evaluation of hydrogen production by water radiolysis during the process is important for a safe operation. Thus, hydrogen production from the mixture of zeolite and seawater was studied by γ-radiolysis experiment, and the hydrogen production during the process was evaluated. The measured yield of hydrogen from seawater was comparable to the primary yield in the γ-radiolysis of water. This result indicates that oxidation of hydrogen by radical products of water radiolysis is not effective in seawater. The measured yield from the mixture decreased at a high weight fraction of zeolite. However, the measured yield was higher than that expected from the direct radiolysis of water in the mixture, which would decrease proportionally to the weight fraction of water. This result suggests that the radiation energy deposited on zeolite is involved in hydrogen formation. From the measured yields, the hydrogen production rate was evaluated to be 3.6 mL/h per ton of radioactive water before the process and 1.5 L/h per ton of the waste adsorbent after the process.
著者
山下 真一 村上 健太 田口 光正
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.66, no.10, pp.497-505, 2017-10-15 (Released:2017-10-15)
参考文献数
22
被引用文献数
1

医学・産業利用が近年拡大しているイオンビームは,イオン種(元素)とエネルギーの組み合わせ次第で多様な照射効果が表れる。本稿では,イオンビームの最大の特徴である高い電離密度(トラック構造)と原子衝突について概説する。水中でのトラック構造と水分解生成物の収量の相関,結晶材料中の典型的な損傷形成過程のほか,今後の展望として未解明の課題にも触れる。
著者
大森 惇志 秋山 英二 阿部 博志 端 邦樹 佐藤 智徳 加治 芳行 井上 博之 田口 光正 清藤 一 多田 英司 鈴木 俊一
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.107-111, 2020-04-10 (Released:2020-10-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

ガンマ線照射による水のラジオリシスで生成する酸化剤が炭素鋼の気相中の腐食に及ぼす効果を評価するために,オゾンをモデル酸化剤として用いて50℃の湿度制御下に導入し,ACMセンサを用いた腐食モニタリングを行なった.ACM電流はオゾンの濃度に伴って高くなったことから,オゾンによる腐食促進の効果が示された.これはオゾンの還元反応あるいは水への溶解反応が早く,カソード反応を促進したためと考えられる.
著者
田口 光雄 廣中 清弘
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 35.3 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.45-48, 2011-01-20 (Released:2017-09-21)
参考文献数
8

長方形導体板上に不平衡給電逆Lアンテナと無給電逆L素子を配置し、円偏波を放射する超低姿勢アンテナについて、2素子間の間隔を変えて、アンテナ上の電流分布、近傍電磁界分布を求め、軸比特性との関係を調べている。設計周波数は2.45GHzである。数値解析にはモーメント法に基づく電磁界シミュレータWIPL-Dを用いている。
著者
帖佐 梨菜 早崎 奈央 永田 直樹 吉留 直希 鮫島 啓太郎 高田 和真 田口 光 川元 大輔 横山 尚宏
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【はじめに,目的】ヒトの運動機能を定量的に評価することは,臨床において効果判定やプログラム立案に極めて重要となる。多用途筋機能運動評価装置バイオデックスシステム3(以下:BIODEX)はヒトの筋力を正確に測定し,数値が可視化できるため数多くの研究機関で使用されている。ただし,場所が制限される事や高価であるため,使用する施設は限られている。一方,Hand Held Dynamometer(以下:HHD)は,測定方法が簡便であるため,理学療法領域において幅広く使用されている。一方,体重計はどの家庭にも存在する。体重計はBIODEXやHHDと比較し,鉛直方向にしか計測ができない。しかし,測定方法を工夫することで,等尺性収縮を定量的に評価することが可能ではないかと考える。本研究は,BIODEXで表された数値がHHDや体重計と相関関係があるかを三角筋とハムストリングスで実施し,自宅で簡便に筋力測定が可視化できるかを検討することを目的とした。【方法】対象者は本校に在籍する学生20名で,整形外科的,神経学的に既往のない学生を選出した。平均年齢は20±1.92歳,平均身長は166.5±8.7cm,平均体重は61.2±8.9kgであった。測定肢は三角筋,ハムストリングスともに右上下肢で統一した。三角筋・ハムストリングスの計測課題はBIODEX上で端座位とし,大腿部・骨盤部・体幹をベルトにて固定,両上肢は胸の前で交差して手掌面を胸郭上部で固定するように指示した。膝関節90°屈曲位でアーム回転軸と膝外側裂隙中心部が一致するようにシートの高さ・前後長を調整した。筋力はisometricで測定し,最大筋力を5秒間保持,3セット実施した。各セット間のインターバルは30秒とした。HDDと体重計による測定課題として,三角筋はベッド上端座位の肢位で肩関節屈曲90°,肘関節伸展位とした。前腕遠位部に抵抗を加え,5秒間保持するように指示した。被験者が代償動作を起こさないように最大限留意した。ハムストリングスの測定肢位はベッド上腹臥位とし,体重はベッドに預け,股関節45°屈曲位,両下肢は下垂させ,足底が接地しないように指示した。HDD,体重計の計測ともに,被験者は両下腿を地面と平行に保持し,検者は下腿遠位部に鉛直方向へ抵抗を加えた。HHDと体重計の筋力測定は検者が体重計に乗り,被験者に重力方向に抵抗を加えた時の体重と,抵抗を加える前の体重との差を重力(9.8N)で除して算出した。統計学的解析は相関係数を用いてBIODEX,HHD,体重計で測定した筋力の一致度を分析した。また,3者の関係については回帰分析を用い,回帰式を算出した。有意水準は5%未満とした。【結果】三角筋の最大収縮はBIODEXで31.9±14.9N,体重計は81.3N±30.9N,HHDは79.9±27.4Nであった。ハムストリングスの最大収縮はBIODEXで60.6±22.9N,HHDで221.5±80.3N,体重計は217.6±76.8Nであった。三角筋の相関係数はHHDと体重計(r=0.99;P<0.01),BIODEXとHHD(r=0.98;P<0.01),BIODEXと体重計(r=0.97;P<0.01)すべてに有意な相関関係が示唆された。ハムストリングスの相関係数はHHDと体重計(r=0.98;P<0.01),BIODEXとHHD(r=0.85;P<0.01),BIODEXと体重計(r=0.91;P<0.01)と,すべて有意な相関関係が示唆された。回帰式において,三角筋のBIODEXとHHDの関係はy=2.382x-9.752,BIODEXと体重計の関係はy=0.251x-5.956を示した。ハムストリングスのBIODEXとHHDの関係はy=3.572x+7.184,BIODEXと体重計の関係はy=3.526x+1.576となった。【考察】本研究の結果,全ての項目において有意な相関関係を示唆した。先行研究において,HHDと体重計は相関関係があるという報告がある。本研究は先行研究を支持する結果となり,HHDと体重計の相関関係があることを証明した。BIODEXは筋力測定において正確な数値を表す装置として認知されている。臨床で広く使われるHHDと一般家庭にも存在する体重計が,BIODEXと相関関係を示唆した。今後は症例の自宅においても,体重計を使用することによって,工夫次第で筋力を数値化し正確に測定できると考える。筋力の数値化はMMTのような主観的な筋力評価と違い,治療の効果判定や症例の目標設定など,臨床で有用な客観的評価となるのではないだろうか。【理学療法学研究としての意義】本研究の結果,BIODEXとHHD,BIODEXと体重計ともに高い相関関係がみられた。HHDは施設に,体重計は施設や自宅にほぼ存在する。筋力の可視化が可能となれば症例自身が筋力向上を確認でき,目標を持ちやすく,心理面にも好影響を与えるのではないかと考える。
著者
宮川 英雄 田口 光雄 佐藤 泉
出版者
秋田県農業試験場
雑誌
秋田県農業試験場研究報告 (ISSN:0568739X)
巻号頁・発行日
no.45, pp.147-161, 2005-03

1)「おおすず」は1991年に「刈系437号」(F8)の系統名で配付を受け、1992年および1995年に「東北112号」の地方番号で生産力検定予備試験に供試した。その後、一時試験を中断したが、2000年~2002年の3年間、生産力検定本試験及び現地試験に供試し、秋田県では2003年3月に大豆奨励品種に採用した。本品種は1998年8月「だいず農林109号」として農林登録され、「おおすず」と命名された。2)「おおすず」の特性を「リュウホウ」と比較すると、子実収量は「リュウホウ」並である。粒の大きさは明らかに大きく、検査規格の大粒大豆の条件を満す。豆腐加工適正は「リュウホウ」ほど高くない。3)「おおすず」は「リュウホウ」より熟成期後の茎水分低下が早く、コンバイン収穫可能な50%以下の茎水分に低下する時期が早い。4)普及適応地帯は県内全域である。
著者
田口 光弘
出版者
日本フードシステム学会
雑誌
フードシステム研究 (ISSN:13410296)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.4_25-4_31, 2010-03-31 (Released:2011-07-07)
参考文献数
20
被引用文献数
3 4

The analysis of consumers' food buying behavior using scanner data is increasing. This paper explains scanner data and examines previous studies. The previous studies are classified into five groups according to the contents of analysis. 1) The analysis of competitive relationship between goods. 2) The analysis of the relationship between information and selection of goods. 3) The analysis of the relationship between consumption experience and selection of goods. 4) The analysis of the relationship between goods attribute and selection of goods. 5) The analysis of consumer loyalty to farmer.In addition, using scanner data of the direct sales store of agricultural products, we analyze the relationship between consumer loyalty and quality of goods. It is concluded that consumers tend to build loyalty to the farmer whose goods are few below consumers' expectations of quality.
著者
橋本 修 高橋 英則 本田 敏志 田口 光 衣笠 健三
出版者
群馬県立ぐんま天文台
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

恒星進化末期の漸近巨星枝(AGB)にある炭素星の形成とその進化シナリオを検討するため、炭素星の可視高分散分光観測を行い、炭素の同位体比^<12>C/^<13>Cを測定する。ぐんま天文台のGAOES分光器を用いることによって、高い波長分解能でありながら、かつ広い波長領域を網羅した高精度の可視分光データを大量のサンプルに対して取得した。この様な大型サンプルに対する高精度の炭素同位体比の測定はこれまでに類をみないものである。