著者
木村 佳人 山下 幸政 三上 栄 小野 洋嗣 板井 良輔 松本 善秀 山田 聡 高田 真理子 住友 靖彦
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.110, no.2, pp.271-281, 2013 (Released:2013-02-05)
参考文献数
9
被引用文献数
1

症例は48歳,男性.血液検査で肝胆道系酵素と好酸球数の上昇を認めた.画像検査上は当初明らかな胆管病変を認めず,肝生検でも特徴的な所見に乏しかったが,何らかの自己免疫疾患を疑いステロイドを投与した.一旦は軽快したがステロイド減量にともない再増悪を認め,画像上も胆管に原発性硬化性胆管炎類似の広狭不整像が広範に出現した.再度肝生検を施行したところ門脈域に密な好酸球浸潤を認め,好酸球性胆管炎と診断した.
著者
三上 栄 中村 武寛 池田 英司 住友 靖彦 山下 幸政 織野 彬雄
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.1443-1449, 2009 (Released:2012-07-17)
参考文献数
26

症例は56歳の男性.腹痛を主訴に来院し,小腸イレウスと診断され,入院となった.腹部CTでは骨盤内回腸に限局した腸管の壁肥厚を認めた.イレウス改善後に行った小腸内視鏡では下部回腸に著明な粘膜浮腫と発赤,および浮腫性狭窄を認めた.問診でホタルイカの生食をしていたこと,その後の精査で旋尾線虫幼虫type Xに対する抗体が陽性であったことより本症による感染症と診断した.旋尾線虫幼虫type X感染に関する小腸内視鏡所見の報告は現在までになく,貴重な症例と考えられた.