著者
山下 親正
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.417-425, 2006 (Released:2006-12-15)
参考文献数
60
被引用文献数
2 2

現在, 多くの蛋白質やペプチド性医薬品が主に注射剤として開発されている. これら注射剤は, 患者の立場を考慮した場合, 利便性・安全性, 痛みや注射恐怖症などの面で種々の問題点が指摘されている. 近年, その代替製剤として, 蛋白質やペプチドの吸収部位としての肺に着目した非注射剤である吸入剤の開発が盛んに行われている. このなかでもオゾン層の破壊や地球温暖化に影響を与えない環境にやさしい粉末吸入剤が注目されている.本稿では, 粉末吸入システムにおける現状と未来について述べる.
著者
山下 親正
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.468-476, 2009 (Released:2010-01-08)
参考文献数
55
被引用文献数
1 4

蛋白質やペプチドなどの高分子医薬品に適した新規の粉末吸入システムを構築するために,予め製造工程で経肺投与に適した微粒子を設計するという従来の基本的な製剤設計の既成概念を脱却し,発想の転換を図った.すなわち,不安定な蛋白質やペプチドなどの高分子医薬に適した製造方法である凍結乾燥法と,空気力学的に大変有利な多孔性を有する凍結乾燥ケーキに着目し,凍結乾燥ケーキが吸入時にはじめて微粒子化するという新しい概念の粉末吸入システムOtsuka dry powder inhalation(ODPI)システムを開発した.このODPIシステムは,吸気と同調して空気がデバイス内に導入され,その空気衝撃により,凍結乾燥ケーキが瞬時に経肺投与に適した微粒子になるメカニズムを採用している.このシステムは,製剤としては,微粒子の集合体ではない蜘蛛の巣のように形成されたユニークな多孔性の網目構造を有する凍結乾燥ケーキと,空気の通路と微粒子の排出経路が備わっていれば成立するシンプルな構造の吸入デバイスを使用することを特長とする.
著者
山下 親正
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug delivery system (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.468-476, 2009-10-09
参考文献数
55
被引用文献数
4

蛋白質やペプチドなどの高分子医薬品に適した新規の粉末吸入システムを構築するために,予め製造工程で経肺投与に適した微粒子を設計するという従来の基本的な製剤設計の既成概念を脱却し,発想の転換を図った.すなわち,不安定な蛋白質やペプチドなどの高分子医薬に適した製造方法である凍結乾燥法と,空気力学的に大変有利な多孔性を有する凍結乾燥ケーキに着目し,凍結乾燥ケーキが吸入時にはじめて微粒子化するという新しい概念の粉末吸入システムOtsuka dry powder inhalation(ODPI)システムを開発した.<BR>このODPIシステムは,吸気と同調して空気がデバイス内に導入され,その空気衝撃により,凍結乾燥ケーキが瞬時に経肺投与に適した微粒子になるメカニズムを採用している.このシステムは,製剤としては,微粒子の集合体ではない蜘蛛の巣のように形成されたユニークな多孔性の網目構造を有する凍結乾燥ケーキと,空気の通路と微粒子の排出経路が備わっていれば成立するシンプルな構造の吸入デバイスを使用することを特長とする.
著者
松山 賢治 山下 親正 野田 敦子 後藤 茂 野田 浩司 市丸 保幸 五味田 裕
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.32, no.10, pp.4089-4095, 1984-10-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
29
被引用文献数
16 26 23

Isonicotinoyl-γ-aminobutyric acid (GABA) (IG) and nicotinoyl-GABA (NG), candidate prodrugs of GABA, were assessed by measuring various pharmacological responses such as anticonvulsant effect, prolongation of pentobarbital sleeping time and depressive effect on rearing or ambulation in general behavior, in relation to the GABA level in the mouse brain. The GABA level after the intraperitoneal administration of IG at a dose of 1000 mg/kg increased significantly from 2.30±0.02μmol/g wet wt. in the control to 2.93±0.05μmol/g wet wt., while NG caused only a slight increase in GABA level. IG showed a stronger anticonvulsant effect, greater prolongation of pentobarbital sleeping time and greater depressive effect on rearing in general behavior than NG did. The pharmacological effect of IG or NG corresponded well to the GABA level in the brain.