著者
市原 実 和田 明華 山下 雅幸 澤田 均 木田 揚一 浅井 元朗
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.41-47, 2007
被引用文献数
3

種子の乾熱処理および火炎放射処理が帰化アサガオ類(ホシアサガオ(<i>Ipomoea triloba</i>),マメアサガオ(<i>I. lacunosa</i>),マルバアサガオ(<i>I. purpurea</i>),マルバアメリカアサガオ(<i>I. hederacea</i> var. <i>integriuscula</i>)およびマルバルコウ(<i>I. coccinea</i>))の発芽に及ぼす影響と,火炎放射後の湛水が種子の生存に及ぼす影響について調査した。80&deg;Cで30分間乾熱処理した場合,5草種の発芽率(吸水,膨潤した種子の割合)は21.1&sim;97.8%であった。マメアサガオ(21.1%)とマルバアサガオ(47.8%)を除く3草種は,72.2&sim;97.8%と高い発芽率を示した。一方,火炎放射処理を3秒間行った場合,発芽率は94.4&sim;100.0%と5草種ともほぼ完全に発芽した。さらに火炎放射処理後の種子は湛水条件下に2ヶ月間埋土されることにより,5草種全てにおいて100%死滅することがわかった。本研究より帰化アサガオ類の防除において,種子散布後に圃場地表面を火炎放射処理し,その後湛水することが有効であることが示唆された。
著者
鈴木 卓磨 川合 里佳 足立 有右 足立 佳奈子 山下 雅幸 澤田 均
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.566, 2004

近年、日本各地で外来種の侵入問題が顕在化してきた。我々は外来種の侵入が確認された河原の植生構造を把握し、急流な東海型河川の河原植生に関するデータベースの作成を目的として、一昨年度より静岡県内の主要河川において植生調査を行っている。特に、侵入種として問題視されているシナダレスズメガヤ<i>Eragrostis curvula</i>の優占地に注目し、本種の分布拡大が県内の河原植生にどのような影響を及ぼしているのかを検討している。<br> 河原の植生調査は、静岡県西部の天竜川、中部の安倍川、東部の富士川の3河川の下流域で2002年から2003年の春と秋に行った。また、安倍川と富士川については中流域にも調査地を設けた。調査方法は河流に対して垂直にコドラート(1×1m)を並べるライントランセクト法を用い,コドラート内の種数、個体数及び植被度を調査した。<br> 調査の結果、3河川とも1年生草本が最も多く、次いで多年草が多かった。今回の調査地では、外来種が出現種数の過半数を占めるコドラートが多く、帰化率は天竜川の調査地で10%、安倍川と富士川ではともに30%以上で、外来種の侵入程度が極めて高いことが明らかとなった。 特にシナダレスズメガヤについては、河岸近くで大きな集団を形成しているところが中・下流域で広く確認された。各河川の生育地において本種の形態を測定したところ、平均で草丈138cm、株周り55cmと大型化した個体が多く、河原植生に及ぼす影響が大きいものと推察された。<br> 今後、河川植生の保全活動のためにも、生育している個々の種を継続して詳細に調査していくことが必要である。特に帰化率の高かった河原では外来種の優占化,それに伴う種多様性の低下が懸念されるため、在来種と外来種双方からの研究アプローチが不可欠であろう。<br>
著者
市原 実 和田 明華 山下 雅幸 澤田 均 木田 揚一 浅井 元朗
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.41-47, 2008-06-30

種子の乾熱処理および火炎放射処理が帰化アサガオ類(ホシアサガオ(Ipomoea triloba),マメアサガオ(I. lacunosa),マルバアサガオ(I. purpurea),マルバアメリカアサガオ(I. hederacea var. integriuscula)およびマルバルコウ(I. coccinea)の発芽に及ぼす影響と,火炎放射後の湛水が種子の生存に及ぼす影響について調査した。80℃で30分間乾熱処理した場合,5草種の発芽率(吸水,膨潤した種子の場合)は21.1〜97.8%であった。マメアサガオ(21.1%)とマルバアサガオ(47.8%)を除く3草種は,72.2%〜97.8%と高い発芽率を示した。一方,火炎放射処理を3秒間行った場合,発芽率は94.4〜100.0%と5草種ともほぼ完全に発芽した。さらに火炎放射処理後の種子は湛水条件下に2ヶ月間埋土されることにより,5草種全てにおいて100%死滅することがわかった。本研究より帰化アサガオ類の防除において,種子散布後に圃場地表面を火炎放射処理し,その後湛水することが有効であることが示唆した。
著者
荻ノ迫 善六 澤田 均 山下 雅幸
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.319-324, 1996-01-31
参考文献数
23
被引用文献数
1

富士山麓にはシロクローバが標高2,400mまで分布しており,標高との関連で自生集団の変異パターンを分析するのに最適である。本研究は,富士山麓の異なる標高から株で収集した5集団について,標準環境下で比較試験を行うことにより,以下の仮説を検証することを目的とした。(1)シロクローバの高地集団では個体が矮小化する傾向にある。(2)高地集団と低地集団ではバイオマス分配パターンが異なり,環境ストレスを強く受ける高地集団では根部への分配割合が高く,頭花への分配割合が伝いのに対して,競争のより厳しい低地集団では葉部(葉柄を含む)への分配割合が高いであろう。(3)クローナル成長パターンにも両集団間に差があり,高地集団は短いストロンを多数分枝する密集型の成長パターンを示すのに対して,低地集団は長いストロンを少数分枝させるゲリラ型の成長パターンを示すであろう。実験の結果,3つの仮説は支持された。したがって,シロクローバの高地集団が矮小化しており,比較的密集型のクローナル成長パターンを持つことが確認された。さらに,頭花の生産量,頭花へのバイオマス分配,葉部への分配が少ないが,根部への分配は多いことが確認された。このような集団間差をもたらす背景について考察した。
著者
山下 雅幸 阿部 純 島本 義也
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.459-468, 1993-03-31
被引用文献数
2

ペレニアルライグラスの2倍体品種の遺伝的分化を明かにするために,8アイソザイム遺伝子座(Aco1,Aco2,Aph1,Got3,Pgi2,Pgm1,Poxおよび6Pgd1)の対立遺伝子頻度の変異を解析した。ペレニアルライグラスにおける8アイソザイム遺伝子座の遺伝子多様度は81%が品種内,19%が品種間であることが示された。いくつかの遺伝子座において,対立遺伝子頻度が育成国を異にする品種群の間で異なり,これらの品種群の間に遺伝的分化が生じていることが示唆された。さらに,対立遺伝子頻度に基づいて主成分分析を行った結果,オランダ,ドイツおよびU.S.A.で育成された品種の散布図に特徴が観察された。オランダ,ドイツおよびデンマークの品種群は互いに遺伝的距離が近く,1つのクラスターを形成した。U.S.A.の品種群は異なるクラスターを形成したが,これら2つのクラスターの遺伝的距離は近かった。オセアニアで育成された品種群は,ヨーロッパ諸国の品種群から遺伝的距離が最も遠かった。