著者
山内 聡 菅野 勝也 髙田 訓
出版者
日本口腔診断学会
雑誌
日本口腔診断学会雑誌 (ISSN:09149694)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.243-248, 2017-10-20 (Released:2017-10-21)
参考文献数
28

To investigate the effects of exercise stress on halitosis, we determined concentrations of cortisol and catecholamine in the blood and that of volatile sulfur compounds (VSC) in the expired gas. The experiments were conducted on healthy volunteers. All volunteers were measured for VSC (hydrogen sulfide, methylmercaptan, dimethylsulfide), cortisol and catecholamine (adrenaline, noradrenalin, and dopamine) before and after a footstool elevation movement. We found significant increases in hydrogen sulfide in the volatile expired gas and cortisol, adrenaline, noradrenalin, and dopamine in the blood in a comparison of before and after exercise. In addition, a significant positive correlation was found between hydrogen sulfide and adrenaline, hydrogen sulfide and dopamine. These results suggest that induced exercise stress is a factor that increases the concentration of sulfur compounds. In particular, the results strongly suggested that adrenaline and dopamine are involved in the increase of hydrogen sulfide.
著者
吉松 軍平 坂田 直昭 山内 聡 赤石 敏 藤田 基生 久志本 成樹 海野 倫明
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.989-992, 2012-07-31 (Released:2012-10-01)
参考文献数
17

70歳代,男性。35%過酸化水素水100mLを誤飲し,頻回の嘔吐と腹部膨満が出現。30分後,当院に搬送。右下腹部の圧痛を認めたが腹膜刺激症状は認めなかった。腹部CT検査で胃結腸間膜内と肝内門脈に気腫像を認め,上部消化管内視鏡検査で下部食道から胃大弯側全体に著明な発赤腫脹とびらんを認めた。過酸化水素水誤飲による上部消化管粘膜障害と門脈ガス血症が考えられたが,腹膜炎の所見はなく,意識障害や神経症状などの脳塞栓の症状を疑わせる所見も認めなかったため,絶飲食下で,プロトンポンプインヒビターとアルギン酸ナトリウムの投与を行った。腹部症状は速やかに改善し,誤飲24時間後のCTで門脈ガスは消失していた。水分/食事摂取を開始したが症状悪化はなく,入院後5日目に退院となった。過酸化水素水誤飲による門脈ガス血症は消化管穿孔を認めなければ保存的治療が可能であるが,脳塞栓などの塞栓症の前段階であり十分に注意して観察する必要がある。
著者
山内 聡也
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.91-106, 2007-06-29

本論文は,犀の寓意像が近世ヨーロッパ人の新大陸の認識にどのような影響を与えたのかといった点を図像学的側面から考察する。犀の象徴性は,新大陸の擬人像の典型であった「インディアンの女王」が引き連れるアルマジロの象徴性と重なる。それはイメージの連鎖を生み出し,ブラジルやアフリカ,そしてヨーロッパといったそれぞれを象徴する地域の区別も曖昧にする。犀の象徴性は,ヨーロッパとは異なる場所という二極化した構図でとらえられる一方,同時代に海外進出を始めたヨーロッパ自身のあり方をも映し出すのであった。ヨーロッパの人々は非ヨーロッパ世界をどう思い描いたのか,という帝国主義の眼差しの問題は近年精力的に論じられているが,個別の事例による分析はまだ不十分である。個別のテーマに絞って変貌していく眼差しの様相を描くことは,西洋と東洋,文明と野蛮といった二次元的な見方に陥っていた新大陸の表象の研究に学術的意義を与える。
著者
石野 光則 池野 栄一郎 鈴木 智隆 竹村 昭宣 北原 辰郎 新関 武史 山内 聡 久保田 功
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.993-999, 2015 (Released:2016-08-15)
参考文献数
5

症例1 : 高血圧, 糖尿病, 喫煙歴のある87歳, 男性. 繰り返す安静時胸痛のため近医を受診し, 不安定狭心症の疑いあり当院へ紹介された. 前医ではわずかであった心電図でV2−4誘導の2相性T波は当院ではより顕著になっていた.  症例2 : 高血圧, 脂質異常症のある61歳, 男性. 胸痛のため近医を受診し, 心電図変化あり不安定狭心症のため当院へ紹介された. 前医で認めていたV2−4誘導で2相性T波変化が当院では消失していた.  症例3 : 高血圧, 脂質異常症のある62歳, 男性. 安静時胸痛のため当院を受診した. 症状は消失していたが心電図でV2−3誘導に2相性T波の陰転化あり入院した. 入院後の胸痛時にはT波の変化は消失し, 翌朝にはV2−3誘導に2相性T波の陰転化がさらに深くなっていた.  3症例とも緊急冠動脈造影を行い, 左前下行枝近位部に高度狭窄を認め同部位へ治療を行った. Wellens症候群とは不安定狭心症の中で, 胸痛を一度自覚した後の症状が消失した時間帯に前胸部誘導でT波に心電図変化を示す症候群である. その心電図変化は症状の消失した時間帯に変化をきたすため見過ごされることが多い. 胸痛を初診する可能性のある医師に対しての本疾患の周知・啓蒙を行っていくことの重要性を感じたため報告をする.
著者
石野 光則 竹村 昭宣 加藤 重彦 安日 智 北原 辰郎 新関 武史 山内 聡 池野 栄一郎 久保田 功
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.1601-1606, 2014 (Released:2015-12-15)
参考文献数
7

症例は44歳女性. 2013年7月下旬より感冒症状あり近医にて処方を受けたが, その後に労作時の呼吸苦と動悸症状が出現し当院を受診した. 心電図で頻脈性心房細動とST上昇を認め, 心エコー図で全周性の壁肥厚と心嚢液の貯留を認めた. 採血では甲状腺機能亢進症が認められ, 急性心筋心膜炎にバセドウ病を背景とした頻脈性心房細動が合併した心不全と判断し治療を開始した. 経過中に好酸球の上昇を認め, 薬剤性を疑い薬剤を中止したが, 1週間後に呼吸苦が増悪した. 好酸球増多症と心エコー図で心肥大と心嚢液貯留の改善を認めなかったため心筋生検を施行した. 病理像では好酸球の浸潤を認め好酸球性心筋炎と診断し, ステロイド投与を開始したところ心不全症状は速やかに改善し, 胸部単純X線写真・心エコー図・採血でも改善を得られた. 薬剤による反応が原因と考えられた急性好酸球性心筋炎に対して, 心不全治療に抵抗を示したが, ステロイド療法により著明な改善を得られた症例を経験したので報告する.
著者
山内 聡子 Yamauchi Satoko
出版者
法政大学大学院デザイン工学研究科
雑誌
法政大学大学院紀要 デザイン工学研究科編 (ISSN:21867240)
巻号頁・発行日
vol.1, 2012-03-31

This research investigates the illusion which occurs in underground space, and it aims at performing a solution proposal. From a user's action investigation in underground space, etc., the cause of underground illusion is investigated and the solution using extended reality (Augmented Reality=AR) technology is proposed.
著者
吉松 軍平 坂田 直昭 山内 聡 赤石 敏 藤田 基生 久志本 成樹 海野 倫明
出版者
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 = Journal of abdominal emergency medicine (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.989-992, 2012-07-31

70歳代,男性。35%過酸化水素水100mLを誤飲し,頻回の嘔吐と腹部膨満が出現。30分後,当院に搬送。右下腹部の圧痛を認めたが腹膜刺激症状は認めなかった。腹部CT検査で胃結腸間膜内と肝内門脈に気腫像を認め,上部消化管内視鏡検査で下部食道から胃大弯側全体に著明な発赤腫脹とびらんを認めた。過酸化水素水誤飲による上部消化管粘膜障害と門脈ガス血症が考えられたが,腹膜炎の所見はなく,意識障害や神経症状などの脳塞栓の症状を疑わせる所見も認めなかったため,絶飲食下で,プロトンポンプインヒビターとアルギン酸ナトリウムの投与を行った。腹部症状は速やかに改善し,誤飲24時間後のCTで門脈ガスは消失していた。水分/食事摂取を開始したが症状悪化はなく,入院後5日目に退院となった。過酸化水素水誤飲による門脈ガス血症は消化管穿孔を認めなければ保存的治療が可能であるが,脳塞栓などの塞栓症の前段階であり十分に注意して観察する必要がある。
著者
山内 聡也
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
no.102, pp.91-106, 2007

本論文は,犀の寓意像が近世ヨーロッパ人の新大陸の認識にどのような影響を与えたのかといった点を図像学的側面から考察する。犀の象徴性は,新大陸の擬人像の典型であった「インディアンの女王」が引き連れるアルマジロの象徴性と重なる。それはイメージの連鎖を生み出し,ブラジルやアフリカ,そしてヨーロッパといったそれぞれを象徴する地域の区別も曖昧にする。犀の象徴性は,ヨーロッパとは異なる場所という二極化した構図でとらえられる一方,同時代に海外進出を始めたヨーロッパ自身のあり方をも映し出すのであった。ヨーロッパの人々は非ヨーロッパ世界をどう思い描いたのか,という帝国主義の眼差しの問題は近年精力的に論じられているが,個別の事例による分析はまだ不十分である。個別のテーマに絞って変貌していく眼差しの様相を描くことは,西洋と東洋,文明と野蛮といった二次元的な見方に陥っていた新大陸の表象の研究に学術的意義を与える。