- 著者
-
大石 康介
小泉 貴弘
諏訪 大八郎
井田 勝也
石原 康守
大貫 義則
鈴木 章男
中島 昭人
神谷 隆
- 出版者
- 日本腹部救急医学会
- 雑誌
- 日本腹部救急医学会雑誌 = Journal of abdominal emergency medicine (ISSN:13402242)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.3, pp.525-528, 2007-03-31
- 参考文献数
- 13
- 被引用文献数
-
2
腹部緊急手術後の, 感染による腹壁欠損症例を2例経験した。症例1 : 26歳, 男性。交通事故による左側腹部広範囲挫滅創, 腹腔内臓器損傷に対し緊急手術を施行した。術後, 創周辺に感染, 壊死を起こし, 15×10cmの腹壁全層欠損が生じ, Bard Composix Mesh<sup>®</sup> (以下, メッシュ) で欠損部を充填し, 腹壁を閉鎖した。創部感染の収束を待ち, 腹直筋皮弁を用いた腹壁再建術を行い得た。症例2 : 77歳, 男性。閉塞性大腸炎による大腸穿孔をきたし, 横行結腸部分切除, 人工肛門造設を行った。術後, 空腸皮膚瘻による人工肛門周囲の感染を併発し, 同部周囲に腹壁欠損を生じた。人工肛門閉鎖時, 欠損部は5×10cmとなり, メッシュで欠損部を覆った。感染収束後メッシュを除去, 閉創を行った。高度感染を伴う腹壁欠損の2症例において, メッシュを用いた二期的再建が有効であった。