- 著者
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鈴木 宏哉
山口 利恵
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.9, pp.1501-1512, 2017-09-15
近年,スマートフォンに代表されるモバイル端末の普及により,利用者は場所を問わず,常時様々なサービスを享受することができるようになっている.一方で,モバイル端末と利用者行動との密接な結び付きから,プライバシ問題に注目が集まっている.特に,通信に端末固有のMACアドレスが含まれるWi-Fi無線通信は,利用者の追跡や位置情報の暴露といったプライバシ上の危険性を有している.本稿では,モバイル端末が収集した周辺のアクセスポイントのMACアドレス情報に着目し,アクセスポイント機器のベンダー構成比から,位置情報データベースなしでも居場所推定に有用な情報が得られることを示した.本稿では,16名の被験者から30日分ずつ収集した周辺アクセスポイントのMACアドレスデータを用い,在宅中や就業,就学中の時間帯におけるベンダー構成に有意に異なる相関比が得られることを実験により確認した.