著者
大島 光宏 山口 洋子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.141, no.6, pp.314-320, 2013 (Released:2013-06-10)
参考文献数
43
被引用文献数
1 1

成人の約8割が罹患しているとされる歯周病は歯肉炎と歯周炎に分けられる.歯肉炎の原因は主に細菌であり治療可能であるが,歯が抜ける歯周炎は,原因が未だ不明であり,有効な薬物治療法も確立されていないなど問題が残されている.筆者らは最近,歯肉上皮細胞と組み合わせてコラーゲンゲル三次元培養で検討した結果,重度歯周炎罹患患者の歯肉より,コラーゲンを極度に分解する「アグレッシブな線維芽細胞」を分離し,この細胞が歯周炎の原因のひとつである可能性が高いことを見出した.本稿では,この着想に至った経緯と歯周炎をコントロールできるような治療薬の探索の試みについて論述する.
著者
岡本 成司 山口 洋子 小山 寛喜 中谷 操子 米田 千恵 渡部 終五
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.444-453, 2012 (Released:2012-06-15)
参考文献数
27
被引用文献数
1 5

ヤマトシジミの食味に及ぼす塩分の影響を明らかにするため,涸沼および涸沼川下流域で採取した試料のエキス分および潮汁の食味を比較して,水質環境との関係を調べた。涸沼川下流の塩分は潮汐の影響を強く受けて涸沼に比べて高く,軟体組織中の D-, L-アラニン含量は涸沼川産の方が涸沼産よりも高い値を示した。一方,潮汁の遊離アミノ酸総量は涸沼産の方が涸沼川産に比べて高く,官能検査では涸沼産の方が涸沼川産より先味および後味で強い傾向が認められた。