著者
福場 良之 辻 敏夫 林 直亨 三浦 朗 山岡 雅子
出版者
県立広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

昼食後の眠気による作業効率低下対策として知られている短時間仮眠が,その後の運動パフォーマンスやそれを支える基礎的な生理機能に与える効果について,包括的かつ実践的な検討を行った。結果として,1)昼食後に睡眠ステージ2までの浅い短時間仮眠(napと呼ばれ,10-20分程度)をとると,覚醒したまま安静で過ごすよりも,スポーツ競技時に必要と想定される脳の情報処理能力や視力に正の効果がありそうであること,2)昼食後に睡眠ステージ4まで含む1時間程度のより深い仮眠をとると,安静やnapをとる過ごし方よりも,無酸素性最大発揮パワーに正の効果がありそうであること,の2点が示唆された。
著者
山岡 雅子
出版者
県立広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,運動後のグルコースあるいはフルクトース溶液摂取が中心ならびに末梢循環応答に及ぼす影響について検討した.運動後低血圧時にグルコースを摂取すると,消化管の血管拡張に対して,体肢の血管応答をすばやく変化させ,さらなる血圧低下を防ぐよう調節されることがわかった.安静時にフルクトース溶液を摂取すると,血圧は上昇するが,運動後にフルクトース溶液を摂取すると,運動由来の体肢での血管拡張持続によって,血圧上昇の程度が抑えられることがわかった.これら両糖質溶液摂取時の血圧や局所の血管応答の違いに,両糖質溶液の胃から十二指腸への排出速度(胃内容排出)は関与していない可能性が示唆された.