著者
山口 ひろみ 山口 彩夏 山崎 敏正 福住 伸一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.499, pp.163-166, 2014-03-10

本研究の目的は、単一試行脳波と音声信号を利用したSSBCI(サイレントスピーチBrain-Computer Interface)において、母音識別に注目した我々の研究を発展させ、子音の識別を可能にすることである。まず、季節の発話時もしくはサイレントスピーチ時の音声データと13ch脳波を計測した。音声信号と、ダイポールがブローカ野に推定された脳波成分の関係をKalman filterで表現した後、HMMを利用して音声信号と子音/母音の関連付けを行った。次に、SS時の脳波からKalman filterで音声信号を推定し、HMMに入力することでサイレントスピーチの内容を予測した。その結果、HMMで出力する対数尤度を比較することで、子音を含めた判別が可能であることがわかった。
著者
杉本 翔平 藤 太一 黒岩 良太 山崎 敏正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.417, pp.37-40, 2013-01-25

本研究では、運動準備電位に基づいたBCIとして、動作前に頭皮脳波からジャンケン動作を予測することを試みる。独立成分分析後、-1700〜400ms区間の19チャネルsmgle-trlal EEGsに脳内等価電流双極子推定法(ECDL)が適用された。ただし、各trialに対して、EMGのonsetを0msとした。ECDL結果をカテゴリカルデータに変換することにより、ジャンケン動作に対するBayesian network model(BNM)を構築した。このBNMはECDsが定位された脳領域を表すノードとノード間の関係を表す有効矢印(エッジ)から成る。ジャンケン動作を識別するために、上記BNMにノード"janken"(J)を加え、BN classifierを構成した。このclassifierは各trialに対するECDL結果を使って確率推論によって学習された。なお、各ジャンケン動作に対して、事前確率P(J)=1/3とした。その結果、このclassifierは各10trialsについて、9個の"グー"、8個の"チョキ"、8個の"パー"を正しく識別した。
著者
山崎 敏正 井上 勝裕 齊藤 剛史
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

以前の科研費(基盤研究(C)サイレントスピーチBCI、平成23年度~25年度)では、頭皮脳波を利用したsilent speech Brain-Computer Interface in Japanese(SSBCIJ)において、個々のサイレント母音とサイレントなひらがな2文字のdecodingにとどまっていた。本研究では、健常者において、日本語で、サイレントの3文字以上から成る単語および文節のdecodingを可能にするアルゴリズムの開発と、患者(脊髄性筋萎縮症Ⅰ型)への適用を目指した、real-time SSBCIJシステムの設計を検討した。
著者
久野友 貴人 山本 圭一 上野 修平 山田 雅也 山崎 敏正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.479, pp.75-78, 2013-03-06

本研究のサイレントスピーチBCIは、Learning phase とDecoding phase で構成される。 Learning phase では、被験者(健常者10名)は画面上に提示された「グー」「チョキ」「パー」の線画を手掛かりに「グー」「チョキ」「パー」のいずれかを発話した。その際、計測された脳波データに対してICAとダイポール推定を行い、ダイポールが運動野、運動前野、補足運動野あるいはブローカ野に推定された脳波データを抽出した。同時に計測された音声データと抽出された脳波データからKalman Filterモデルを構築した。Decoding phaseでは、同様のタスクをサイレントスピーチで行い、その時の脳波を測定した。その後、Decoding phase時に測定された脳波を、Learning phaseで構築された「グー」「チョキ」「パー」それぞれのKalman Filterに入力することで、サイレントスピーチ時の音声データを予測した。予測された音声データの第一および第二ホルマント周波数から母音の予測をし、サイレントジャンケンの予測および識別を試みた。サイレントジャンケン分類器の性能はconfusion matrix によって評価された。