著者
山崎 裕二
出版者
日本赤十字看護大学
雑誌
日本赤十字武蔵野短期大学紀要 (ISSN:13461907)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.92-122, 1999

1910年代の日赤救護看護人は, 平時において, 軍事演習や招魂祭といった軍関連行事の救護, 常設救護所や巡回診療といった診療事業の救護, 自然災害や火災, 交通災害, 伝染病流行などの災害救護に従事した。戦時においては, 中国辛亥革命に際しての漢口や鳳凰城での救護, 第1次世界大戦(日独戦争)に際しての日赤病院船での救護, 中国蒙古紛争に際しての郭家店での救護, シベリア出兵に際してのウラジオストクなどでの救護に派遣された。その特徴を一言でいえば, "1910年代における日赤救護看護人は, 日本近代看護史のなかで一番多様な看護活動を行った男性看護者であった"といえる。
著者
山崎 裕二
出版者
日本赤十字看護大学
雑誌
日本赤十字武蔵野短期大学紀要 (ISSN:13461907)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.75-99, 1997

日本赤十字社は, 日清戦争の救護経験から男性看護要員(準備看護人)を本社や支部で養成し戦時に備えることにした。養成期間は10カ月で, 前期5カ月は本社病院や支部養成所(あるいは依託した公私立病院, 陸軍衛戍病院)で看護法や包帯法など学科の教授が行われ, 後期5カ月は陸軍衛戍病院での実務教習が行われた。戦争が起きた場合, 準備看護人には戦地で患者輸送など軍衛生部門を幇助することが求められたため, 生徒には軍の規律や風紀を守ることが厳しく教えられた。卒業後の準備看護人の動向は, 救護法の復習や現況調査のための点呼召集への応召や, 陸軍行事への救護参加, 災害救護への参加, 日赤関連行事への参加, 磨工資格や医術開業免許の取得, 精神病院への就職, などであった。準備看護人生徒の中には, 行政機関の衛生事務などへの就職斡旋を日赤指導層に要望する者もいたが, 日赤は看護婦外勤部の開設のような就職斡旋事業を準備看護人に対しては行わなかった。
著者
宇田川 健 山崎 裕二 庄境 誠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.28, pp.179-186, 2005-03-18

赤外線センサは人を検知するセンサで、防犯や自動照明などに広く使われている。中でもパッシブセンサとして使われている焦電センサは、人体が発する赤外線の量を電圧レベルに変換し、閾値判定論理により、人の在不在をON/OFFで出力する。本論は、この焦電センサの電圧レベル(アナログ出力)に対してパターン認識を適用することで、人の在不在だけでなく、さらに詳しい物体の情報を取り出す技術を提案する。今回使用したパターン認識手法は音声認識で広く使用されている隠れマルコフモデル(HMM)で、認識対象は、人の移動方向・少人数での人の識別・人と人以外のカテゴリ認識である。シミュレーションベースでの性能評価においては、いずれも9割以上の認識結果が得られており、新しい焦電センサの使用方法として大いに期待できる技術である。An infrared sensor, widely used for security systems, lighting automation, etc, senses the presence of human. A pyroelectric sensor, the most typical one as a passive type, changes the infrared rays that a human body emits into an analog voltage level. The output of this sensor is usually digital, high means human is present and low means absent, created by plain comparator. Now we suggest the new sensing scheme applying pattern recognition into this analog voltage signal and getting not only human's presence and absence but also the more detailed information about human. In this paper, we describe three experimental results of new sensing scheme using Hidden Markov Model (HMM) currently used for speech recognition, walking direction detection, human identification and human/non-human classification. We get more than 90 percent accuracies in each simulation, and expect to develop the new usage of pyroelectric sensor.