著者
川西 直 川原 圭博 坂生 知子 森川 博之 青山 友紀
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115(2003-UBI-002), pp.73-78, 2003-11-18

来るべきユビキタスコンピューティング環境では,センサや無線通信技術により実空間と仮想空間とが密に相互接続されることにより、実空間情報を利用したエンターテインメントアプリケーションを提供することが可能になると考えられている.我々は,このようなアプリケーションがユビキタスコンピューティング環境におけるキラーアプリケーションの一つになりうると考え,実空間情報を元に動的に構築される仮想空間上に自律分散的に生息するモンスターを,実空間を移動して収集するゲームとして,実空間指向エンターテインメントアプリケーション「ユビキタスモンスター(Ubiquitous Monster)」を提案し,適応型サービスプラットフォーム「Jack-in-the-Net(Ja-Net)」上への試作を進めている.本稿では,ユビキタスモンスターのモンスターをJa-Netの自律分散コンポーネントであるCyber-Entity(CE)として設計し,実空間情報を元に自律分散動作させる機構について述べる.
著者
幸島 明男 池田 剛 井上 豊 車谷浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.116, pp.37-44, 2006-11-09
被引用文献数
1

さまざまなセンサデバイスからのセンサ情報をどのようにして管理し,人間向けの具体的なサービスへと結びつけるかという問題は,依然として,状況に基づくサービスを実現する上で重要な課題となっている.本研究では,このような問題の解決に向けて,複数の異なるセンサ情報を統一的に管理し,高次のサービスと連携させる機能を提供するミドルウェアSENSORD (Sensor-Event-Driven ServiceCoordination Middleware) を提案する.SENSORDは,低次元のセンサデータを高速に解析するために,センサデータをその時空間情報とともに共有メモリ上に保持する機能を持つ.SENSORDは,ユーザが登録したルールに基づいて,非同期・同期的に蓄積されたセンサデータの評価を行い,ルールが適合する場合には対応するサービスを起動する.これらの機能を利用することで,ユーザは状況に基づくサービスを容易に実現することができる.本論文では,まず,状況に基づくサービスのためのミドルウェアに求められる機能について整理し,時空間情報管理とルールに基づくサービスに着目する.そして,そのような機能を提供するミドルウェアとしてSENSORDを提案する.最後に,SENSORDのアプリケーションとして,現在開発中の緊急時における屋内避難誘導システムについて述べる.How various kinds of sensor devices are handled, and how numerous 0lower-level sensor data are managed and integrated into higher-level context services are important issues to realize context-aware information systems. We have been developing Sensor-Event-Driven Service Coordination Middleware (SENSORD) to fill coordination gaps betweepn higher-level services and lower-level sensors. The SENSORD system obtains and stores sensor data into an in-memory data container to achieve fast, complex analysis of the sensed data. The facility of real-time analysis, which includes periodical evaluations of spatio-temporal conditions, enables application developers to outsource context-aware mechanisms. As described in this paper, we first examine middleware of context-aware services and our approaches. We then show the outline of SENSORD and an exemplary application: an indoor emergency response system in our laboratories. Preparing for emergency situations, such as fire emergencies, it manages sensor devices (thermometers, hygrometers, vision systems, microphone arrays, etc.) to detect emergent situations.
著者
三浦 史光
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.14, pp.323-328, 2006-02-17

近年の不揮発性メモリ素子の発達は、近い将来に不揮発性主記憶を可能にしつつある。しかし現在のOSやアプリケーションは不揮発な主記憶を利用するようになっておらず、主な利用形態はファイルシステムとしての利用にとどまっている。ファイルシステムとしての利用は互換性の観点では望ましい。しかし、ファイルの操作はOSのカーネルを介してしか操作できないので、コンテクストスイッチを必要とする。アプリケーションは直接主記憶を操作できるので、OSのカーネルを介さないで永続的主記憶を利用できる可能性がある。本研究は不揮発性記メモリ素子を主記憶として使う方法を検討し、オーバーヘッドを削減する。Non-volatile memory device technologies have developed. Now we expect main memories constructed with non-volatile memory devices. On the other hand, OS and applications are still designed on the assumption that main memories are volatile. So, the typical usage of non-volatile memory devices are filesystems at present. The usage for filesystem is good from the view point of API compatibility. But only the kernel can handle filesystem, and other programs must make requests against the kernel. It requires context switches. Applications can directly handle main memories as the nature. We studied that applications directly handle non-volatile memories.
著者
田岡 康裕 納谷 太 野間 春生 小暮 潔 李周浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.66, pp.147-152, 2008-07-10

本稿では Bluetooth による受信信号強度を用いたユーザの位置推定手法を提案する. 本手法は医療事故の発生要因の分析などにおいて重要となる 看護師のインタラクション情報を得るためのものである. 本手法ではユーザに装着した移動局が複数の固定局から一定時間で得られる受信信号強度の平均値 最大値 最小値 中央値を特徴量として用いて位置推定を行う. 本手法の有効性を評価するために 2 床のベッドを配置した模擬的な病室環境での実験を行い ベッド際のどの位置にいるかおよびそれ以外にいるかという識別については 80% 以上 どちらのベッドの患者に対するインタラクションかの識別においては 90% 以上の識別率が得られることがわかった.This paper proposes a method for estimating a user's location with RSSI (Receiver Signal Strength Indicator) of Bluetooth in order to obtain information about the user's interactions. The method uses average, maximal, minimum and median values of RSSI that the mobile station attached to the user obtains from some fixed stations in a sliding window. This method has been evaluated experimentally in simulated ward environment with two beds. The method obtains more than 90% accuracy for identifying the patient that the user interacts.
著者
岸野 泰恵 櫻井 保志 亀井 剛次 柳沢 豊 前川 卓也 岡留 剛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.18, pp.127-134, 2008-02-27
被引用文献数
1

本研究では, 数多くのセンサノードからなる大規模センサネットワークのための効率的なデータ収集機構を提案する.収集したデータは,実世界の情報のリアルタイムなコンテンツ化に用いることを想定している.提案する機構では,データが発生してから基地局に到着するまでの遅延を抑制することを目的に,階層的にクラスタを作成してデータを収集する.クラスタリングは,クラスタ内の通信が他のクラスタと重複する度合いを指標として行い,クラスタ内のノードの個数や階層数は,データの発生量から遅延を見積もって決定する.本稿では,通信方式と,提案するクラスタリング手法について述べる.また,各階層ごとにデータを集めることで基地局にデータが到達するまでの時間を短縮できることを示す.The data aggregation method for a large-scale sensor network proposed here aims to reduce the communication delay from the generation of a sensor event to the arrival of the data to a base station. The method adopts hierarchical clustering whose criterion is the degree of duplication of wireless communication area among clusters. The clustering parameters such as the number of hierarchies and those of nodes in a cluster are determined by estimating the amount of data. Analyses of a tree-structural communication model show the method using the hierarchical clustering enables to reduce the communication delay.
著者
金井 圭介 大野 貴弘 石塚宏紀 伊藤花乃子 澤 義和 三尋木織 戸辺 義人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.18, pp.141-148, 2008-02-27

生活を支援するという点で一番身近であることからオフィス,ホームがユビキタスコンピューティングの対象として取り上げられることが多かった.今後は,生活空間の延長である都市全体をすっぽりと包んで,屋内と屋外とがシームレスにユビキタスコンピューティングで自由に行き来できる世界を構築したいと我々は考える.それに伴い,コンピュータで処理できる情報を取得する過程で必要とされるセンシングも,都市全体をカバーする領域へと拡大する.我々はこれをアーバンセンシングと呼ぶ.本稿では,アーバンセンシングの第一歩となる取組みについて述べる.Offices and Homes have been a main target for ubiquitous computing because these are the closest to our daily lives. We hope to construct a world of ubiquitous computing in the city in such a way that we can move back and forth between indoor and outdoor seamlessly. To achieve that goal, we need to extend sensing to the whole area of a city, which is referred to as urban sensing. In this paper we describe the first step towards urban sensing.
著者
和田 雅昭
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.54, pp.31-38, 2006-05-23
被引用文献数
1

本報では 海中転落者の生存救出を目的として開発を行った衛星通信 携帯電話 特定小電力無線機を用いた3種類の救助支援システムについて報告する.海難及び船舶からの海中転落による死亡・行方不明者数は年間250人を越え,救助体制の強化が大きな課題となっている.生存救出のためには,ITを活用した事故情報の早期入手と正確な位置の把握に基づく迅速な救助活動が必要である.本研究では 海中転落者の視点から双方向の通信による救助支援システムを考案し 実験によりシステムの評価を行った.その結果 利用海域や利用形態に合わせた救助支援システムを選択することにより,的確な救助要請が行えることを確認した.In this paper,the author reports on three kinds of rescue systems that use the satellite communication,the cellular phone,and the low-power transmitter developed to save the life from man-over board accidents and sea disasters every year To decrease the number of dead,the rescue system that uses information technoligy is very usefl.Yherefore,the author proposes the rescue systems that use the two-only cinnunication equipment and GPS.the exprtimrnts have been carried out in the sea, each system was able to transmit the rescue signal that contained the posisionn information.
著者
金子 晋丈 林素娟 森川 博之 青山 友紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.147-152, 2003-11-18
参考文献数
8

コンピューティングデバイスやネットワークリソースが遍在する環境,積極的に通信のエンドポイントを切り替えていくサービスモビリティが望まれる.サービスモビリティを実現するためには,通信を安全に切りることが必須となる.筆者らは,サービス移動をセキュアに行うための機構として,端末固有情報に依存しない通信インタフェースを提供するセッションレイヤモビリティサポートを用い,これにKey-insulated公開鍵暗号方式を適用することによって端末に依存しない通信の移動を実現しようと考えた.Key-insulated公開鍵暗号方式は,秘密鍵を安全でないデバイス上で利用することを考え,ステージに分けて秘密鍵が管理されているため,端末に依存しない認証処理を可能とする.本方式では,1つのセッションに1つのKey-insulated公開鍵を割り当て,ユーザの移動にステージを対応付けることにより,Key-insulated公開鍵のセッションレイヤモビリティサポートへの適用を実現している.In the environment where the computing devices and access links are ubiquity it is desired to switch the resources according to our context (Service mobility). In order to realize service mobility, security consideration is indispensable. First, we use session layer mobility support which provides an interface independent of the lower layer details and enhance it to realize secure service migration using Key-insulated public-key cryptosystems. Key-insulated cryptosystems have developed for using the private key on insecure device. Therefore, they use the private key refreshed at discrete time periods and realize terminal independent public-key cryptosystems. We enable the secure service migration using the key-insulated private key corredpondent to every migration.
著者
ライプニッツ 賢治 若宮 直紀 村田 正幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.60, pp.371-376, 2005-06-10
参考文献数
11

本稿では,クラスタ型センサネットワークにおけるIEEE 802.15.4 MAC層プロトコルの解析モデルを提案している.まず,クラスタメンバが同時にクラスタヘッドに通信する環境における遅延時間分布を解析的に導出している.次に,センサ端末間の同期ずれが総遅延に与える影響について検討し,同期ずれによって衝突を回避されることを示す.最後に,クラスタメンバをいくつかのサブクラスタに分割し,送信タイミングを制御することにより,転送遅延や送信成功率を高めることのできる手法について述べる.In this paper we propose an analytical model for IEEE 802.15.4 in a clustered sensor network environment. We investigate the timing delay, when all nodes transmit synchronously and derive the distribution of the transmission time for the cluster members to the cluster head. Further, we study the effects of clock skewness from each sensor node on the total delay and show how time margins can be easily found to avoid collisions from different rounds. Finally, we discuss the possibility of scheduling logical subclusters in order to improve the performance regarding transmission time and success rate.
著者
小沼 将人 伊藤 雅仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.14, pp.143-150, 2007-02-23
被引用文献数
1

近年 インターネット上では多くのWebサービスが提供されている.Amazonco・jpが提供しているAmazonWebSeviceもそのうちの一つである.これまで 多くの製作者がこのサービスを利用し 主に書籍の価格や品質の情報を取得するシステムなどを作成してきた.しかし これから購入したい書籍に関しての価格情報を取得するシステムは存在しても,ユーザの本棚にある書籍の価格や 所持している書籍の売却に注目したシステム また 書籍情報をRFIDタグと連動させたシステムというものは存在していなかった.以上の点をふまえ 本研究では携帯端末を用いて使用できる 注目している書籍の中古価格や本棚の資産価値といった情報を取得 蓄積してグラフ化し それらの情報と書籍の取り出し回数とを総合して売却を薦めるシステムを作成した.Recently, many of information services are offered using Web service. AmazonWebService(AWS) is one of them.In this paper, we pay attention to price of books owned by a user and selling books to implement the system using AWS. We implemented the system that receives, stores and graphs out used prices and property values of books.This system could be used by mobile phones.
著者
和泉 憲明 幸島明男 車谷浩一 中島秀之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.129-134, 2003-11-18
参考文献数
3
被引用文献数
2

本稿では,デジタル世界のエージェントにより,実世界のユーザを支援するためのシステムのアーキテクチャとユーザインタフェースを提案する.具体的には,エージェントのタスクを細粒度の機能体として環境に配置し,ユーザを介してWeb上の部分コンテンツを受け渡しすることにより,機能連携を実現する.そして,簡易な操作でWeb上の複数の部分コンテンツにかかるコピー&ペースト操作を行う仕組みとしてWebSLITを開発しを開発し,これをブラウザのプラグインとして実装した.これにより,次世代Webのコンセプトをユビキタス計算環境に具体化させことを目指す.In this paper, we propose the architecture and the user interface of a system for supporting the users in the real world by the agent in the digital world. In the concrete way, the agent's task is embedded in the environment as a functional object of fine-grained services. The user enables the service coordination by delivering the agent the partial contents on the Web. As an implementation, we have developed WebSLIT, which enables us to perform copy & paste action by simple operation, and that is embedded in the Web browser Mozilla as a plug-in module. Based on WebSLIT, we try to clarify the concept of the Web tomorrow in the Ubiquitous computing environment.
著者
川西 直 川原 圭博 坂生 知子 森川 博之 青山 友紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.73-78, 2003-11-18
被引用文献数
2

来るべきユビキタスコンピューティング環境では,センサや無線通信技術により実空間と仮想空間とが密に相互接続されることにより、実空間情報を利用したエンターテインメントアプリケーションを提供することが可能になると考えられている.我々は,このようなアプリケーションがユビキタスコンピューティング環境におけるキラーアプリケーションの一つになりうると考え,実空間情報を元に動的に構築される仮想空間上に自律分散的に生息するモンスターを,実空間を移動して収集するゲームとして,実空間指向エンターテインメントアプリケーション「ユビキタスモンスター(Ubiquitous Monster)」を提案し,適応型サービスプラットフォーム「Jack-in-the-Net(Ja-Net)」上への試作を進めている.本稿では,ユビキタスモンスターのモンスターをJa-Netの自律分散コンポーネントであるCyber-Entity(CE)として設計し,実空間情報を元に自律分散動作させる機構について述べる.Ubiquitous computing environment will converge real and virtual worlds and serve as a platform for real-world oriented, entertainment applications that use various sensor data.With this vision, we propose a new monster-collection game called "Ubiquitous Monster" where many autonomous entities called monsters live in networked computer-nodes, autonomously migrate among nodes, and interact with other monsters. Mobile users collect monsters that appear at each environment as they travel among these environments. Different monsters may appear in different environments depending on local sensor data. We have been developing Ubiquitous Monster using an adaptive networking service platform called Ja-Net where monsters are implemented as Ja Net's autonomous service components called "cyber-entities". In this paper, we describe a mechanism to achieve autonomous and distributed behavior control of monsters based on real-world sensor data.
著者
森川 大補 本庄 勝 山口 明 大橋 正良
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.219-224, 2003-11-18
参考文献数
6
被引用文献数
1

本稿では,ユーザ自身に関わる情報,ユーザ周辺の環境に関する情報などをユーザ状況に応じて集約し,体系化するサービスプラットフォームについて検討した結果を報告する.まず,本稿で取り扱う情報を,ユーザ自身にかかわるプロファイル情報(ユーザプロファイル情報)と,ユーザ周辺環境を表す情報(ユーザ環境プロファイル情報)に分類する.なお,本研究では,センサ装置から得られる情報に加え,サービス加入情報,電子決済・ブラウジング・メールの履歴等,ユーザの日頃の情報活動に関わるプロファイル情報を取り扱う.続いて,集約したこれらのプロファイル情報を個人環境プロファイルとして体系化するとともに,個人環境プロファイルを活用するためのプラットフォームの要求と基本設計について述べる.具体的には,プロファイルアグリゲータ,プロファイルコレクタおよびコレクタリゾルバを定義し,その構成と機能を示す.最後に,本プラットフォームを活用したサービスシナリオを示す.This paper presents a framework of a service platform, in which various kinds of profiles related to a user are aggregated and integrated according to the user's situation. Profiles dealt in this study are classified into two categories, "Personal Profiles" and "Environmental Profiles". In particular, "Environmental Profiles" have various information sources including not only sensor-based context information but also profiles acquired from user's activities such as shopping, browsing and e-mailing. In order to integrate these aggregated profiles as a "Personal Integrated Profile", functions in this proposed platform, "Profile Aggregator", "Profile Collector" and "Collector Resolver" are described. And service scenarios activated on the proposed platform are also represented.
著者
宇田川 健 山崎 裕二 庄境 誠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.28, pp.179-186, 2005-03-18

赤外線センサは人を検知するセンサで、防犯や自動照明などに広く使われている。中でもパッシブセンサとして使われている焦電センサは、人体が発する赤外線の量を電圧レベルに変換し、閾値判定論理により、人の在不在をON/OFFで出力する。本論は、この焦電センサの電圧レベル(アナログ出力)に対してパターン認識を適用することで、人の在不在だけでなく、さらに詳しい物体の情報を取り出す技術を提案する。今回使用したパターン認識手法は音声認識で広く使用されている隠れマルコフモデル(HMM)で、認識対象は、人の移動方向・少人数での人の識別・人と人以外のカテゴリ認識である。シミュレーションベースでの性能評価においては、いずれも9割以上の認識結果が得られており、新しい焦電センサの使用方法として大いに期待できる技術である。An infrared sensor, widely used for security systems, lighting automation, etc, senses the presence of human. A pyroelectric sensor, the most typical one as a passive type, changes the infrared rays that a human body emits into an analog voltage level. The output of this sensor is usually digital, high means human is present and low means absent, created by plain comparator. Now we suggest the new sensing scheme applying pattern recognition into this analog voltage signal and getting not only human's presence and absence but also the more detailed information about human. In this paper, we describe three experimental results of new sensing scheme using Hidden Markov Model (HMM) currently used for speech recognition, walking direction detection, human identification and human/non-human classification. We get more than 90 percent accuracies in each simulation, and expect to develop the new usage of pyroelectric sensor.
著者
伊藤誠悟 吉田 廣志 河口 信夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.116, pp.117-122, 2006-11-10
被引用文献数
2

現在,屋外環境において最も利用されている位置情報システムはGPSであり,GPSに対応する多くの地図アプリケーションや位置情報を考慮したアプリケーションが開発されてきた.しかし,GPSは屋内環境で利用できないため,屋内環境において位置情報を考慮したアプリケーションを利用する事が出来ない.一方,近年の無線LANの急速な普及により無線LANを利用した位置情報システムは屋内外において利用可能となりつつある.本論文では,既存の位置情報を考慮したアプリケーションを屋内外の環境でシームレスに利用できる手法の提案を行う.本手法を利用することにより,アプリケーションは,GPSと無線LANによる出力された位置情報を区別せずに利用できる.加えて,無線LANを用いた広域な位置情報システムの実現を目指すプロジェクトであるLocky.jpの紹介を行う.Most major location information system in outdoors is GPS, and many location-based applications using GPS have been developed. But, GPS cannot use in indoors, thus these applications are not available. In contrast, Wireless LAN positioning is available in indoors and outdoors. In this paper, we propose integration method of wireless LAN positioning and GPS. By using our method, application can use location information of GPS and wireless LAN without distinction. In addition, we introduce metropolitan-scale wireless LAN positioning project locky.jp
著者
舛田 知広 大木一将 峰野博史 石原 進
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.28, pp.23-28, 2005-03-17

筆者らは,無線通信における移動端末の低速な通信を解決する手法として通信回線共有方式SHAKE(SHAring multipath procedure for a cluster networK Environment) を提案している.これは,近隣にある複数の移動端末を短距離高速リンクで一時的に接続し,各端末がもつ外部へのリンクを同時利用することで通信速度向上を実現する方式である.SHAKEでは一時的に接続された移動端末群による複数の通信経路へトラフィックを分散させる.効率よく分散させるには,それを行う場所が重要となる.本論文では,Mobile IPv6を用いてSHAKEを実現し,トラフィック分をHome Agentと通信相手Correspondent Nodeに設置した場合の性能比較を行った結果,Mobile IPv6 SHAKEにおける経路最適化の有効性が確認できた.We have proposed a system that aggregates links between multiple mobile hosts and the internet, and improves transmission speed (SHAKE: SHAring multipath procedure for a cluster networK Environment). Because SHAKE is designed to disperse packets destined for one of mobile hosts in an ad hoc network to multiple links between the network and the ad hoc network, it is important to place the traffic dispersing mechanism. In this paper, evaluated the performance of SHAKE with Mobile IPv6 (Mobile IPv6 SHAKE) that disperses traffic at Correspondent node with route optimization of Mobile IPv6, comparing it with a case that the Home Agent of a mobile node disperse the traffic.
著者
倉沢 央 川原 圭博 森川 博之 青山 友紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.54, pp.15-22, 2006-05-23
被引用文献数
25

我々は 近い将来携帯電話に搭載可能な小型センサを用いてユーザのおかれているコンテキストを推定し,このコンテキストに応じて,ユーザに適切な情報配信を行うコンテキスト情報基盤の構築を目指しているンテキストアウェアサーピスを現実のものとするには,常に変化し続けるユーザの状況をいかに推定するかが重要な技術課題となる.本稿では,単一の加速度センサを搭載した携帯電話を-つ身に着けるだけでユーザの姿勢,動作の推定を可能にする手法を示す.本手法はリアルタイムの信号情報からセンサがどこに取り付けられているかを自ら判別し,その情報をもとに推定アルゴリズムを動的に切り替えることで推定精度を向上している.We are focusing on theb development of a context-aware information platform which allows users to receive personalizedi information based on their context inferrd by tiny sensors attached to their cellular phone.A dynamic user context infrence method is one of the impotant technologies for realizing th context aware servivces.In this paper,we how a new context inference scheme which realizes a user posture inference with only one sensor embedded in a cell phone.to improve inference acctuacy,the system automatically detects the sensor position on the user's body and selects the most relevant inference method dynamically.
著者
篠原 章夫 富田 準二 木原 民雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.14, pp.163-168, 2006-02-16
被引用文献数
1

公共の場において巨大なインタラクティブ空間を提供する実験「みらいチューブ」を、2004年2月から10月まで横浜高速鉄道みなとみらい線みなとみらい駅コンコースで行った。本論文では、複数の画面、複数のセンサを柔軟に組み合わせることができるという本システムの特徴について、及びインタラクティブメディアに対する一般の通行者による注目度、受容性について行った評価について報告する。This paper introduces an interactive system for public spaces called Mirai Tube. This system is a large-scale interactive media space. It uses multiple sensors sucha as video cameras to recognize the conditions in a given space in real time. Mirai Tube Sysmte was installed in the underground concourse of Minatomirai Station in Yokohama. We had demonstration experiment from Feb. 1 to Oct. 31 2004. We report evaluation result of the experiment.
著者
首藤幸司 西尾 信彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.116, pp.79-84, 2006-11-10

我々は,個人の日常行動において,個人の未来の行動を高確度に予測するシステムの実現を目指している.そこで本稿では,まず個人の各行動を特徴付けるコンテキストを複数種のセンサ情報から高確度に抽出する手法を提案する.ここでは,センサ種や行動範囲を限定しないコンテキスト抽出を可能にするため,センサフュージョン[1] を利用する.加えて,システムの情報分析だけでなく個人の意図を取り入れるユーザ参加型のコンテキスト抽出手法として設計する.また,現在のユーザのコンテキストから未来の行動を予測するために,過去のユーザの日常行動を形式化する手法を提案する.上述の2 つの手法により,個人行動の未来予測機構を実現する.Our goal is realization of a system that predicts future personal states reliably based on trivial personal movement. In this paper, we first propose an extraction technique for highly reliable contexts using multiple sensor data. We introduce a concept of sensor fusion in order to capacitate context extraction, unrestricted by user state or sensor type. Additionally, we design this as a user participatory technique that employs user intention in combination with system calculation. Second, in order to predict future personal states by current user context, we propose a technique to develop a certain pattern for trivial personal movement using in past multiple sensor data. With these two techniques, we will implement personal state prediction system.
著者
三浦稔隆 中西康人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.14, pp.17-22, 2007-02-22

かつてGIS研究者などの専門家にしか利用できなかった衛星写真は、近年のAPIによる拡張可能なWebマッピングサービスの登場により、誰もが簡単に利用できるものとなった。また、球状に衛星写真を貼り巡らせることでバーチャルな地球を構築するソフトウェアも現れ、今や衛星写爽は新たな情報表現の基盤になったとも言える。一方で、このようなサービスで提供される衛星写真は、地域によって解像度が異なったり、撮影時期の違いが原因で実際とは異なる風景を映し出すことがある。また、衛星写真では屋根までの憤報しか表示されず<屋内の情報は表現しづらい。そこで本研究では、このような問題に対し、表示クライアントにGoogleEarthを用いたユーザが自ら撮影した画像を高さと共にマッピングできるシステムを梢築することで、屋内の表現や衛星写真の高解像度化が行えるかを検証した。Aerial photos became very popular and easy to use, since the recent web mapping services or virtual earth software allow users to access their aerial photos through API or Software. But sometimes theses photos are provided with low-resolution or shows diffrent infomation due to filmed time. In Addition, aerial photos can't show or express inside of the buildings, such as every'floor's infomation. And users can't update or edit these photos. We create the system "VirtiGeo", which allow users to put their own photos on Google Earth with height parameter. In this paper, we propose the way and possibility of express inside of the buildings, and of replace low-resolution photos with users high-resolution photos by using this system.