- 著者
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山崎 謙治
大竹 徹
- 出版者
- 一般社団法人 日本感染症学会
- 雑誌
- 感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
- 巻号頁・発行日
- vol.79, no.2, pp.117-121, 2005
- 被引用文献数
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1
2003年4月から2004年7月の間に大阪府下の医療機関で採取されたエンテロウイルス (EV) 感染症の可能性のある患者860名 (996検体) から, ウイルス分離および, viral protein1領域を増幅するRTPCRによるウイルス遺伝子の検出を行った.両法を合わせた臨床材料別のウイルス陽性率は糞便48.2%, 咽頭拭い液38.3%, 髄液18.0%であった.診断名別の陽性率ではヘルパンギーナが44.7%と最も高かったが, 脳炎は13.4%と最も低い検出率であった.全検体からの分離によるウイルス陽性率は15.6%, RT-PCRによる陽性率は22.3~24.7%であり, 両法を合わせたウイルス陽性率は29.8%であった.viral protein1領域のRT-PCR法によるEVの検出は, 分離法よりも迅速であり, さらにコクサッキーA群ウイルスの検出に優れていたことから, ヘルパンギーナの診断には非常に有用な方法であると思われた.