著者
井上 桂輔 沼沢 祥行 山本 一樹 須藤 聡 箱守 正樹 豊田 和典 冨滿 弘之 関屋 曻
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.614-619, 2021 (Released:2021-12-20)
参考文献数
26

【目的】急性期脳梗塞患者の注意障害を定量的に示して歩行自立判定を検討したものは見あたらない。本研究では,BBS に加えてMARS およびSWWT を用いて,急性期脳梗塞患者の病棟内歩行自立判定に関連する要因を明らかにすることを目的とした。【方法】発症から2 週間以内の急性期脳梗塞患者の病棟内歩行自立判定におけるROC 曲線から算出したBBS のカットオフ値による判別と,多重ロジスティック回帰分析から算出した判別スコアによる判別の精度を比較した。【結果】多重ロジスティック回帰分析ではBBS,MARS,SWWT が採択され,判別スコアを用いた方がBBS 単独での判別よりも精度が高かった。【結論】急性期脳梗塞患者の歩行練習開始時点における病棟内歩行自立判別はBBS だけでなく,MARS,SWWT を用いることで精度が高まる可能性がある。
著者
河原 常郎 川⼝ 真 磯⽥ ⼀将 稲葉 佑 ⼩出 恵也 ⼭本 ⼀樹 飯⽥ 修平 ⾦ 成道
出版者
一般社団法人 日本運動器理学療法学会
雑誌
運動器理学療法学 (ISSN:24368075)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.6-14, 2022 (Released:2022-03-18)
参考文献数
25

【⽬的】“吹き流し変形”と称する両側変形性膝関節症の症例に対し,保存療法にて有益な結果を得たのでここに報告する。【症例】症例は左膝が内反,右膝が外反変形を呈す両側変形性膝関節症の70 代⼥性であった。 著者らは,治療開始より3 ヵ⽉間の運動療法とADL 指導の実施後,近年,変形性膝関節症患者にも治療効果の期待されている多⾎⼩板⾎漿(platelet-rich plasma:PRP)療法を併⽤し,治療を⾏った。治療のアウトカムとして,従来の理学療法評価に加え,患者⽴脚型評価であるKnee injury and Osteoarthritis Outcome Score(以下,KOOS)を採⽤した。⾝体機能,動作能⼒ともに向上を⽰した。KOOS でも改善を認め,それに基づくOMERACT-OARSI のResponder 基準でも効果ありと⽰された。【結論】本症例報告を通して得られた知⾒は,今後,変形性膝関節症に対する効果的な運動療法を展開するための⼀つの⼿段としての可能性を⽰唆する。
著者
井上 桂輔 沼沢 祥行 山本 一樹 須藤 聡 箱守 正樹 豊田 和典 冨滿 弘之 関屋 曻
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11988, (Released:2021-09-30)
参考文献数
26

【目的】急性期脳梗塞患者の注意障害を定量的に示して歩行自立判定を検討したものは見あたらない。本研究では,BBS に加えてMARS およびSWWT を用いて,急性期脳梗塞患者の病棟内歩行自立判定に関連する要因を明らかにすることを目的とした。【方法】発症から2 週間以内の急性期脳梗塞患者の病棟内歩行自立判定におけるROC 曲線から算出したBBS のカットオフ値による判別と,多重ロジスティック回帰分析から算出した判別スコアによる判別の精度を比較した。【結果】多重ロジスティック回帰分析ではBBS,MARS,SWWT が採択され,判別スコアを用いた方がBBS 単独での判別よりも精度が高かった。【結論】急性期脳梗塞患者の歩行練習開始時点における病棟内歩行自立判別はBBS だけでなく,MARS,SWWT を用いることで精度が高まる可能性がある。