著者
森脇 由隆
出版者
特定非営利活動法人 日本バイオインフォマティクス学会
雑誌
JSBi Bioinformatics Review (ISSN:24357022)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.47-60, 2022 (Released:2022-11-01)
参考文献数
61

タンパク質を構成するアミノ酸配列からその安定な立体構造を予測することは、生命科学の研究において非常に重要な意味を持っている。このために多くの実験研究者は60年以上に渡って1つ1つのタンパク質の構造を決定し、計算科学者は30年以上もの間、立体構造予測の技術を進化させてきた。2020年11月30日にDeepMind社が発表したAlphaFold2は、わずかな時間でアミノ酸配列からその立体構造を極めて高い精度で予測できることを示し、さらにはこれが2021年7月16日(日本時間)に無償で一般に使用可能となったことで、生命科学全般の研究に大きな影響を与えた。本稿ではAlphaFold2に至るまでの歴史的経緯、その予測手法、AlphaFold2が与えた影響と将来の展望について紹介する。