著者
上原 忠夫 齋藤 研一 山本 嘉則
出版者
社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.321-329, 1989-04-01 (Released:2010-01-22)
参考文献数
79
被引用文献数
2 3

High-pressure technique is a practical method for laboratory organic synthesis since simple equipment has become available in this decade. Pressure accelerates reactions if their values of 'the volume of activation' are negative, such as cycloaddition reactions and reactions through dipolar transition states. Especially, this technique is useful to drive reactions with steric hindrance. In this article are reviewed recent developments of substitution reactions, addition reactions to a carbonyl group, conjugated addition reactions, Deils-Alder reactions, 1, 4-cycloaddition reactions, other pericyclic reactions, and organometallic reactions since 1985.
著者
山本 嘉則 金澤 朋子 栗田 誠也 青木 茂男 関口 伸雄 板東 剛
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1998, no.3, pp.181-186, 1998

2-アセチル-8-ヒドロキシキノリン-5-スルホン酸 (1) と2, 4-ジアセチル-8-ヒドロキシキノリン-5-スルポソ酸 (2) が新規に合成され, どちらもスルホン酸のナトリウム塩として単離された. 25℃ の水溶液中, 紫外・可視吸収スペクトルの測定により, その酸解離定数とCa (II), Mg (II) との錯形成を調べた. フェノール部分のpK<SUB>a</SUB> (イオン強度0.1) は1が7.81, 2は7.45であり, 環窒素のpK<SUB>a</SUB> (Hammettの酸度関数を使用) は1が-0.31, 2は-1.40であった. 1:1錯体の生成定数 (イオン強度0.1) の対数は1-Ca (II) は3.87, 1-Mg (II) は1.48, 2-Ca (II) は3.60, 2-Mg (II) は1.42であった. ここでCa (II) は1, 2の吸収極大波長の位置を明確に長波長側に移動させるのに対し, Mg (II) は全く移動させない. 以上から, Mg(II)-1, 2錯体は水溶液中キレート構造を形成していない; 1, 2はMgに対して弱い単座配位子として作用していると推定した.
著者
山本 嘉則 山田 順一 西井 真二
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.7, pp.1177-1182, 1987-07-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
15
被引用文献数
2

ステロイドアルデヒド〔3〕と(2R,4R)-(-)-2,4-ペンタンジオールから合成したキラルなステロイドアセタール〔8〕,S-R,R体,とアリルシラン〔12a〕,9-アゾル-9-BBN〔12b〕,またはアリルトリブチルスタンナン〔12c〕との塩化チタン(N)存在下での反応を行ない,つづいて常法にしたがって処理すると,ホモアリルアルコール〔14〕,S,S体,がきわめて優先的に生成する。ある場合には,S,S体が圧倒的(>99%)に生成する。〔3〕と(2S,4S)-(+)-2,4-ペンタンジオールから合成したアセタール〔9〕,S-S,S体,と〔12a〕または〔12b〕とを同様に反応させると,やはり〔14〕が優先的に生成した。これは,従来のアセタールテンプレートを用いる不斉誘導り結果からは理解しがたしこ現象である。一方,〔9〕と〔12c〕との反応では〔16〕,S,R体,のアルコールが得られた。また同様に,スタンニルアセチレン,〔11a〕,と〔11b〕と,〔8〕との反応ではS,S体〔13〕が得られ,〔9〕との反応ではS,R体〔15〕が得られた。一方〔9〕とシリルアセチレン〔1Zc〕とからはS,S体〔13〕,が得られた。これらの結果は,不斉誘導率のみならず不斉誘起の方向さえも有機金属化合物の求核性に大いに支配されることを示している。合成的にはC-22位の立体制御をスズ化合物を用磁れば可能であることを示している。機構的には,アセタールテンプレートによって高い不斉誘起を達成するためには,アセタールの結合開裂と結合生成とのタイミングが同一でなければならないことが明らかとしなった。
著者
山本 嘉則 丸山 和博
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.332-342, 1982-04-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
56
被引用文献数
5 5

The currently available methods via allylic organometallic compounds for the stereoselective synthesis of homoallyl alcohols are summarized. Usually, Z-allylic organometallics give erythro adducts upon treatment with aldehydes, while E-derivatives afford threo products. Interestingly, allylic stannanes react with aldehydes in the presence of BF3·OEt2 to give erythro products regardless of the geometry of the double bond. A short and stereoselective synthesis of the Prelog-Djerassi lactone is realized via this method. The metal effect on the stereoselection of enolate reaction is also summarized. Zirconium and tin enolates give erythro aldols irrespective of the enolate geometry. α-Mercurioketones undergo a. rapid reaction with aldehydes in the presence of BF3·OEt2 to give the kinetic erythro aldols. These erythro selections are explained by the acyclic mechanism.
著者
山本 嘉則
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.33, no.12, pp.973-977, 1975-12-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1