著者
山本 幸一 川上 敬介 上杉 三郎
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.166-173, 2007-07-25 (Released:2009-05-22)
参考文献数
20

木や竹の伐採時期と得られた木材・竹材の生物劣化に対する耐久性との間の明確な関係を論じたものはない。伐採の時期と木材・竹材の耐久性を明らかにするために,森林総合研究所千代田試験地苗端のクローンである28年生のスギ(Cryptomeria japonica),及び同一林地に生育している3年生前後のモウソウチク(Phyllostachys heterocycla)を,2003年2月から12月にかけて12回に渡って伐採して試験に供した。伐採は,木・竹の伐採には適さないと言われている十干十二支(干支:えと)の選日の一つである「八専:はっせん」の期間中と,近接する「八専」でない日に,それぞれ行った。伐採後,直ちに玉切りした試験体を,野外に地上10cmの高さで水平に暴露し,カビの発生程度,目視による腐朽の程度,ピロディンによるピンの貫入深さ,キクイムシの被害の有無を3年間にわたって経時的に調べた。その結果,試験体木口面へのカビの発生程度はスギ,モウソウチクともに,伐採された時期とは明確な関係を持つが,「八専」との関係は認められなかった。腐朽に関してもスギ,モウソウチクともに,「八専」との関係は認め難かったが,冬期に伐採された試験体では,それ以外の時期に伐採された試験体に比較して,腐朽の程度が「八専」,「非八専」の何れにおいても高かった。ピンの貫入深さは,スギでは,腐朽度と関連性が見られたが,モウソウチクでは,腐朽度と関連性が見られず,目視による腐朽度は低く評価されたものの,大きな値となった。キクイムシの誘引は,2月伐採と4月伐採の皮付き丸太で見られたが,「八専」と「非八専」の間で,誘引頭数に相違は見られなかった。
著者
平井 宏幸 長谷見 雄二 安井 昇 木村 忠紀 山本 幸一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.73, no.625, pp.489-495, 2008-03-30 (Released:2008-10-31)
参考文献数
5

Fire resistance tests have been conducted to develop wooden floor-beam assemblies of 45 minutes fire resistance for design loading conditions based on Japanese traditional post and beam construction. The tests were initiated with a 2m x 3m floor specimen consisting of six 1m x 1m small specimens of different specifications including four designs with beams exposed to the lower floor and two designs with ceiling panel beneath the beam to verify the integrity and thermal penetration through the floor panels. Beams to bear with the standard loading for domestic use and assemblies for 45 minutes standard fire exposure were then designed with the vertical deflection as the temporary index for compliance with the fire resistance standard. Large scale loaded fire tests were conducted on two designs, one with bare beam and another with ceiling panel, resulting in the achievement of 45 minutes prevention of flame and thermal penetration or buckling.
著者
山本 幸一 桃原 郁夫 西村 健
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.219-222, 1999-10-25 (Released:2009-05-22)
参考文献数
11

燻煙乾燥材と焼き丸太について野外での耐朽性を明らかにするため,スギ材杭試験を実施した。燻煙乾燥材の試験はつくば(茨城)で,焼き丸太の試験は高尾(東京)でそれぞれ行った。野外杭試験の結果,燻煙乾燥材と焼き丸太の野外での耐用年数は2年程度であり,無処理材とほぼ同等であった。燻煙乾燥材及び焼き丸太を野外で使用する際,十分な防腐効力を期待することはできない。