著者
西村 健 岡本 彩那 藤崎 宣友 白井 邦博 山田 勇 中尾 篤典 小谷 穣治
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.17-23, 2017-01-20 (Released:2017-01-20)
参考文献数
18

心肺停止患者における胸骨圧迫は有効である一方,肋骨骨折や胸骨骨折,臓器障害などをきたしうる侵襲的処置である.我々は肺動脈塞栓症による心肺停止患者2症例を経験した.両例とも胸骨圧迫を含めた心肺蘇生法とveno-arterial Extracorporeal Membrane Oxygenation(VA-ECMO)を導入した後に撮像した造影CTにて横隔膜下肝損傷を認めた.1例は開腹止血術にて救命できたが,保存的加療を行った1例は出血により死亡した. 抗凝固薬を使用した患者では胸骨圧迫による合併症リスクが高まる.ダメージコントロール手術を含めた積極的加療が有効である可能性が示唆された.
著者
島岡 政基 西村 健 古村 隆明 中村 素典 佐藤 周行 岡部 寿男 曽根原 登
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J95-B, no.7, pp.871-882, 2012-07-01

通信の安全を確立するサーバ認証を適切に行うには,パブリック認証局から発行されたサーバ証明書が必要である.しかしながら,過去にはパブリック認証局から発行を受けることの重要性が正しく認識されてこなかったことがあり,更には商用のサーバ証明書は審査手続きが煩雑な上に学術機関の実態に沿っていないなどの課題もあったため,学術機関におけるサーバ証明書の普及は遅れていた.そこで筆者らは,学術機関のために最適化したサーバ証明書発行スキームと,証明書自動発行支援システムからなる学術機関のためのサーバ証明書発行フレームワークを提案した.国立情報学研究所による実証実験と本運用を通じて,同スキームにより高い身元確認レベルを確保しつつ審査手続きの学術機関最適化を,また同システムにより認証事業者の証明書発行業務を自動化するとともに各学術機関が必要な学内システムを用意した場合には学術機関側の工数削減も可能であることを実証した.
著者
水野 貴秀 福田 盛介 坂井 智彦 岡田 祐 有井 基文 西村 健志 入部 紘一 長谷川 秀樹 片山 翔太 遠藤 勉 辻 雅生
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
航空宇宙技術 (ISSN:18840477)
巻号頁・発行日
pp.JSASS-D-17-00008, (Released:2017-08-03)

The landing radar employs a pulse-type radar using 4.3 GHz C-band microwave radiation. It has a wide beam for measuring the altitude in vertical direction, as well as four narrow tilted beams for measuring the velocity in horizontal direction. In this paper, development of the Bread Board Model (BBM), a field experiment, and the design of SLIM loading Flight Model (FM) are introduced. Furthermore, the radar simulator required for FM development of a radar is explained.
著者
中川 貴史 中村 健太郎 笠岡 祐二 村田 将光 西村 健二 瀬崎 和典 野田 誠 鈴木 文男
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.SUPPL.3, pp.S3_28-S3_33, 2011 (Released:2012-12-05)
参考文献数
4

持続する上室性頻拍においてP波とQRS波の出現タイミングは一定であり, 通常その関係が変化することはない. 頻拍中, 陰性P波の出現時相が, さまざまに変化したため, P波がQRS波に重なり, QRS波高が減少した房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)の稀な1例を経験したので報告する.症例は71歳, 女性. 月に1~2回の頻拍発作を認め入院. 心臓電気生理学的検査よりAVNRTと診断された. 入院前に記録された頻拍時の心電図では, 頻拍周期540~440ms, QRS波の直後に深い陰性P波を認めた. 頻拍周期の短縮に伴い逆行性P波は早い時相に移動し, QRS波形を変形させた. 軽度の前方移動ではS波を, より高度の前方移動ではQ波を, 中等度の前方移動ではS波とQ波を同時に形成し, QRS波形をさまざまに変形させた. QRS波高も同時に減少したが(陥没現象), 陰性P波の“重なり”効果によると推察された.
著者
中村 健太郎 中川 貴史 笠岡 祐二 村田 将光 西村 健二 瀬崎 和典 野田 誠 速水 紀幸 村川 裕二 鈴木 文男
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.SUPPL.3, pp.S3_117-S3_122, 2012 (Released:2013-09-25)
参考文献数
9

われわれは,冠静脈洞(CS)pacingによる反時計回転(ccw)型心房粗動(AFL)の誘発時に,右房峡部領域において一方向性伝導ブロックの出現がみられることを報告してきた.他方,頻度の稀なclockwise(cw)型AFLの誘発機転は十分には検討されていない.今回cw-AFLが誘発された症例においてその誘発様式を検討した.症例:心房粗細動を有する80歳,男性.CS近位部~三尖弁輪周囲に20極電極カテーテル(先端A1,極間5mm)を留置し,低位外側右房(A19-20電極)より頻回pacingを行って峡部の伝導様式を検討した.周期250msにおけるpacingの際,pacing部位近接部を起源とする反復性心房興奮(RAR1+RAR2+RAR3波)が誘発された.3発のRAR波はおのおのCS開口部領域にて分裂電位を形成し,Wenckebach型伝導遅延を示しながら峡部をccw方向に伝導した.3発目のRAR3波の伝導の際,CS開口部領域における伝導遅延が十分となり,cw方向に反転するmicro-reentry性 echo-wave が同領域に出現した(U-turn現象).出現したecho-waveは,そのままcw方向に三尖弁輪周囲を旋回し,cw-AFLへと移行した.
著者
中村 素典 西村 健 山地 一禎 佐藤 周行 岡部 寿男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.23, pp.163-169, 2013-05-02

近年,シングルサインオンの技術を応用し,組織をまたがった認証連携を行う取り組みが広がりを見せている.民間ではOpenIDの仕組みを活用した認証連携が進む一方,学術ではSAML(Secudty Assertion Markup Language)を用いた認証連携の枠組みが,国を単位として世界的に立ち上がってきている.OpenIDやSAMLでは,認証結果とともに,認証された利用者に関する属性情報をサービス提供側に受け渡す仕組みが用意されているため,単なる利用者の本人確認にとどまらない,高度な情報連携の可能性を秘めている.本報告では,大学等が運用管理する認証サーバと,民間のサービス提供サーバとを連携させ,大学が保持する職種(学生,職員,教員など)に関する属性情報を提供することにより,学割サービスを実現するためのプロトコルゲートウェイの設計および試作について述べる.
著者
中村 素典 西村 健 山地 一禎 岡部 寿男
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.4, pp.1-6, 2014-02-20

H.323 国際標準に準拠したテレビ会議端末の普及が進んでいるが,多くの拠点が参加するテレビ会議を行うためには,テレビ会議端末の他に多地点接続装置 (MCU) が必要となる.このような装置の価格と利用頻度を考えると,各大学が個別に維持することは現実的ではなく,1 台の MCU を複数の大学で共用することが望ましい.そこで,このような設備の共用を促進するために必要となる共通の予約システム FaMCUs を開発した.FaMCUs は学術認証フェデレーション 「学認」 の SP として実現されており,学認に参加する大学の教職員であれば自由に予約を行うことができる.また,多様なネットワーク環境からテレビ会議に参加できるようにするため,併せて Skype とのゲートウェイ機能も用意している.本稿では,FaMCUs の設計と実装について述べる.
著者
谷本 茂明 島岡 政基 片岡 俊幸 西村 健 山地 一禎 中村 素典 曽根原 登 岡部 寿男
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J94-B, no.10, pp.1383-1388, 2011-10-01

全国大学共同電子認証基盤(UPKI)プロジェクトでは,大学間PKI連携及び構築コスト削減等を実現するキャンパスPKI共通仕様を新たに開発した.本仕様が,PKI連携とコスト削減を同時に満足し,キャンパスPKI普及促進に寄与することを示す.
著者
島岡 政基 片岡 俊幸 谷本 茂明 西村 健 山地 一禎 中村 素典 曽根原 登 岡部 寿男
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J94-B, no.10, pp.1246-1260, 2011-10-01

国立情報学研究所(NII)では,平成17年度より大学間連携のための全国共同電子認証基盤(UPKI)の構築を行ってきた.UPKIは,コンピュータや学術コンテンツ等を大学間で安全・安心かつ効果的に共有し活用するための基盤として,PKI(公開鍵認証基盤)を中軸に利用者や利用機関の認証とサービスの認可の機能を提供する.本論文では,学術機関における認証の必要性と制約,対象とするサービスの多様性,既存の各種認証基盤との整合性などを考慮して設計した3層(オープンドメイン層,キャンパス層及びグリッド層)のPKIからなるUPKIの基本アーキテクチャについて解説するとともに,設計方針に基づく各層の実装及び連携方法などについて述べる.
著者
西塔 純人 西村 健 前田 珠希 林 康裕
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.23, no.54, pp.513-516, 2017 (Released:2017-06-20)
参考文献数
5
被引用文献数
3 4

After 2016 Kumamoto Earthquake, we investigated 80 two-storied damaged houses of light-gauge steel structure by microtremor measurement and visual check. We analyzed the relationship of natural frequency of the houses by microtremor measurement and average displacement response spectrum (0.2 - 0.3 seconds) of construction area. As a result, natural frequency of the houses decrease as the displacement response spectrum increase.
著者
永野 敬子 勝谷 友宏 紙野 晃人 吉岩 あおい 池田 学 田辺 敬貴 武田 雅俊 西村 健 吉澤 利弘 田中 一 辻 省次 柳沢 勝彦 成瀬 聡 宮武 正 榊 佳之 中嶋 照夫 米田 博 堺 俊明 今川 正樹 浦上 克哉 伊井 邦雄 松村 裕 三好 功峰 三木 哲郎 荻原 俊男
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.111-122, 1995-02-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

近年の疾病構造の欧米型への移行が指摘される中, 日本人における痴呆疾患の割合はアルツハイマー病の比率が脳血管性痴呆を越えたともいわれている. 本邦におけるアルツハイマー病の疫学的調査は, アルツハイマー病の原因究明に於ける前提条件であり, 特に遺伝的背景を持つ家族性アルツハイマー病 (FAD) の全国調査は発症原因の究明においても極めて重要であると考える.私たちは, FAD家系の連鎖分析により原因遺伝子座位を決定し, 分子遺伝学的手法に基づき原因遺伝子そのものを単離同定することを目標としている. 本研究では日本人のFAD家系について全国調査を実施すると共に, これまでの文献報告例と併せて疫学的検討を行った. また, 日本人のFAD家系に頻度の高いβ/A4アミロイド前駆体蛋白 (APP) の717番目のアミノ酸変異 (717Va→Ile) をもった家系の分子遺伝学的考察も行った.その結果, FADの総家系数は69家系でその内, 平均発症年齢が65歳未満の早期発症型FADは57家系, 総患者数202人, 平均発症年齢43.4±8.6歳 (n=94), 平均死亡年齢51.1±10.5歳 (n=85), 平均罹患期間6.9±4.1年 (n=89) であった. APP717の点突然変異の解析の結果, 31家系中6家系 (19%) に変異を認めた. また各家系間で発症年齢に明らかな有意差を認めた. 1991年に実施した全国調査では確認されなかった晩期発症型FAD (平均発症年齢65歳以上) 家系が今回の調査では12家系にのぼった.FADの原因遺伝子座位は, 現在のところ第14染色体長腕 (14q24.3; AD3座位), APP遺伝子 (AD1座位) そのもの, 第19染色体長腕 (19q13.2; AD2座位), 座位不明に分類され, 異なった染色体の4箇所以上に分布していることとなる. 日本人のFAD座位は, APPの点突然変異のあった6家系はAD1座位であるが, 他の大部分の家系ではAD3座位にあると考えられている. 今回の解析結果より, 各家系間の発症年齢に差異があることからも遺伝的異質性の存在を示唆する結果を得たが, FAD遺伝子座位が単一であるかどうかを同定する上でも, 詳細な臨床経過の把握も重要と考えられた.
著者
熊谷 孝三 天内 廣 太田原 美郎 西村 健司 森田 立美
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.1072-1077, 2004-08-20
被引用文献数
2

医療に向けられる社会の評価はかつてなく厳しいものになっており,その厳しさを示す具体的なものとして,医療事故をめぐる紛争,訴訟の増加が挙げられる.また日常の診療においては,患者への危害のみならず,物損や患者からの苦情など病院のイメージダウンを引き起こす要因が潜んでいる.これらも医療事故,紛争に直結するおそれがあり,病院の経済的損失につながる.したがって,自分の職場ではどのようなリスクが存在しているのか,また実際に起こっているかを調査し,その内容を把握することが重要である.これらのことを受け,本報ではアンケート調査を実施し,放射線業務において発生している患者からの苦情・質問についてモダリティ別に事例集としてまとめたので報告する.