著者
山本 益枝 宮崎 結花 三浦 一生 長坂 信夫
出版者
一般社団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.86-94, 1991
被引用文献数
7

我々はスポーツドリンクの脱灰能とそれに影響を及ぼす要因との関連を明らかにする目的で,スポーツドリンクの性状分析と,ハイドロキシアパタイトからのCa溶出量測定を行い,以下のような結果を得た.<BR>1)スポーツドリンクのpHは,2.91~4.07であった.<BR>2)スポーツドリンクの主糖質量は3.24~5.95%であり,糖質の種類は,Sucrose, Glucose, Fructoseが主となっているが,その割合は,各スポーツドリンクによって異なっていた.<BR>3)スポーツドリンクによるハイドロキシアパタイトからのCa溶出を経時的に観察し,スポーツドリンクの H, Ca濃度と, 溶出パターンの関係を検討すると, 攪拌時間1分及び5分では,スポーツドリンクのpHとCa溶出量との間に負の相関を,また,10分及び20分ではスポーツドリンクのCa濃度とCa溶出量との間に負の相関を認めた.<BR>4)スポーツドリンクに糖質を添加しても,ハイドロキシアパタイトからのCa溶出量に影響は認められなかった.<BR>従って,歯牙がスポーツドリンクに接する初期の段階においては,pHの低いものほど歯牙脱灰量は多く,また,歯牙が長時間同じスポーツドリンクに浸漬されているような場合には, そのCa濃度が低いものほど歯牙脱灰量は多いと考えられる.
著者
宮迫 隆典 一瀬 智生 市川 史子 吉田 かおり 山本 益枝 信家 弘士 長坂 信夫 川端 康司
出版者
一般社団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.970-978, 1992
被引用文献数
1

我々は,小児の健全な成長発育を把握し,地域の歯科医療の推進に貢献する目的で,広島県湯来町の保育所および幼稚園の協力を得て,昭和62年より毎年,幼児の歯科検診を実施し,幼児の口腔内の縦断的観察を行っている。今回,幼児の生活環境のアンケート調査を行い,以下の結果を得た。<BR>1)自分自身の齲蝕予防に心がけている親は41.9%であった。<BR>2)幼児の食生活では,果実,菓子類が好まれ,野菜類は好まれない傾向が認められた。おやつの回数は, 通園日1 日1 回および休園日1 日2 回が約80%を占めた。また, 6歳児の買い食いは, 4歳,5歳児の15~20%と比較して, 約40% と増加しており, 6 歳と他の年齢間に統計的有意差を認めた。<BR>3)幼児の歯磨きでは,朝食後と就寝前の歯磨きが70%以上を占め,就寝前以外の歯磨きでは,幼児自身が磨くことが多く,時間も短かったが,就寝前の歯磨きでは,過半数以上の親が手伝い,3分以上磨く者の割合が多かった。<BR>4) 親子関係では, 親自身が齲蝕予防に心がけている方が心がけていない方より, 朝食後,夕食後に子供の歯磨きをよく手伝い,おやつを与える回数も少なく,統計的有意差を認めた。
著者
宮迫 隆典 一瀬 智生 市川 史子 吉田 かおり 山本 益枝 信家 弘士 長坂 信夫 川端 康司
出版者
The Japanese Society of Pediatric Dentistry
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.970-978, 1992
被引用文献数
1

我々は,小児の健全な成長発育を把握し,地域の歯科医療の推進に貢献する目的で,広島県湯来町の保育所および幼稚園の協力を得て,昭和62年より毎年,幼児の歯科検診を実施し,幼児の口腔内の縦断的観察を行っている。今回,幼児の生活環境のアンケート調査を行い,以下の結果を得た。<BR>1)自分自身の齲蝕予防に心がけている親は41.9%であった。<BR>2)幼児の食生活では,果実,菓子類が好まれ,野菜類は好まれない傾向が認められた。おやつの回数は, 通園日1 日1 回および休園日1 日2 回が約80%を占めた。また, 6歳児の買い食いは, 4歳,5歳児の15~20%と比較して, 約40% と増加しており, 6 歳と他の年齢間に統計的有意差を認めた。<BR>3)幼児の歯磨きでは,朝食後と就寝前の歯磨きが70%以上を占め,就寝前以外の歯磨きでは,幼児自身が磨くことが多く,時間も短かったが,就寝前の歯磨きでは,過半数以上の親が手伝い,3分以上磨く者の割合が多かった。<BR>4) 親子関係では, 親自身が齲蝕予防に心がけている方が心がけていない方より, 朝食後,夕食後に子供の歯磨きをよく手伝い,おやつを与える回数も少なく,統計的有意差を認めた。