著者
有澤 武士 山本 祐介 西原 仁 綾木 雅彦
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.207-210, 2002 (Released:2017-08-14)
参考文献数
9

待ち時間の短縮や診療効率の向上のために,疾患によって待ち時間などに差が生じるのかを検討した.検討した項目は,各疾患群における待ち時間(受付時刻と予約時刻の差),滞在時間(受付から診察終了まで),所要時間(予約時刻から診察終了まで)である.白内障は術後より滞在時間と所要時間が長かった.散瞳処置がある患者は滞在時間と所要時間が40分前後長くなっていた.眼底疾患以外の群では初診時の方が再来時より早めに来院するが,眼底疾患の群は再来の方が初診より約9分早く来院していた.糖尿病は予約時間12分前に受付し疾患群中最も遅く,また所要時間が他の眼底疾患より13分長かった.緑内障は診察時間と所要時間が短く29分である.角結膜疾患では受付時間が他疾患よりも10分程度早かった.今回の検討で疾患群によって待ち時間などに特徴を見いだすことができ,予約の設定やクレーム減少に有用と思われた.
著者
山本 祐介
出版者
東京歯科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

明らかなマイボーム腺機能不全(meibomian gland dysfunction ; MGD)を有さないが、ドライアイに関する愁訴を有する者19例38眼を対象とし、アイマスク型の温熱マッサージ器「アイマッサー」を1回5分、1日2回、2週間毎日使用させ、自覚症状、涙膜破壊時間などの眼機能の変化、一般所見などを観察した。対象は男性2名、女性17名。平均年齢33.4歳(±6.9歳)。短期間効果:5分間使用し、前後の変化(眼瞼角膜温度、涙液膜破壊時間(BUT)など)を評価した。治療的効果:1日5分使用を1日に2回行い、2週間続けた。結果 BUTは短期間調査、治療的調査ともに著明改善した(P<0.01)。多くの症状が2週間の治療後に改善をみせた。DR-1上、干渉像の変化はないものから、厚みのある油層が観察されるようになる症例まで様々であった。5分間の温熱療法後、上眼瞼温度は1.6℃、角膜温度は1.3℃上昇した(P<0.01)。視力、眼圧、シルマー値に変化は認められなかった。調査した多くの自覚症状項目(瞼の重い感じ(p<0.001)、眼が疲れる、眼が乾燥する、異物感、充血する、不快感がある(以上5項目、p<0.01)、瞬きが多い、めやにが出る、眼がほてった感じがある(以上3項目、p<0.05))で改善が認められた。総合評価でも良好な成績が得られた。また、本試験では併せて眼精疲労に関する愁訴についてもアンケート調査を行ったが、これについても調査した症状の項目の半数以上で改善が認められるなど、良好な成績が得られた。これらのことからアイマッサーはドライアイ及び眼精疲労に関連した愁訴に対して有効であると考えられた。現在、論文執筆中である