- 著者
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山本 裕紹
- 出版者
- 一般社団法人 日本画像学会
- 雑誌
- 日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, no.4, pp.341-351, 2017-08-10 (Released:2017-08-13)
- 参考文献数
- 21
何もない空間に情報スクリーンを形成することを特徴とする空中ディスプレイ技術について解説する.再帰反射による空中結像 (AIRR : aerial imaging by retro-reflection) は,道路標識やライフジャケットに使われているような再帰反射素子を用いて実像を空中に形成する技術である.レンズあるいは反射型の結像光学素子を用いた空中像形成手法と比較して,AIRRによる空中表示は,大画面化のスケーラビリティーが高いこと,広い範囲から観察できる空中像を形成できること,大量生産可能な低コスト素子で空中ディスプレイを実現できることで有利である.本稿ではAIRRの原理について詳細に解説した後,LEDパネルを用いた空中ディスプレイの開発について,96インチの等身大空中映像の形成を含む大画面化とその課題である観察範囲の拡大法について述べる.さらに,開発した空中ディスプレイとユーザーのジェスチャー検出を組み合わせた自由空間で映像を直接操作する感覚を与えるインタラクションの実現について報告する.