著者
石川 幸司 林 裕子 山本 道代
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.489-496, 2023-08-31 (Released:2023-08-31)
参考文献数
17

背景:看護師は実際の急変場面で落ち着いて実践することが困難であると指摘されている。目的:本研究の目的は,救急領域のジェネラリスト看護師を対象に急変対応時に生じる生理的・心理的な生体反応を明らかにすることである。方法:シミュレータで急変場面を再現し,急変対応時に生じる生体反応として自律神経活動,脳波,唾液アミラーゼ,バイタルサイン,心理的反応(STAI)を測定した。データは安静期,実践期間を急変に気づくまで,気づいてから終了までの期間に分類して比較検討した。結果:副交感神経活動HFは,安静期から実践期間,終了まで有意な変化は認められなかった。一方,交感神経活動LF/HFは安静期に比べ,実験開始0.9から急変に気づくまでの期間で3.6と有意に上昇し(p=0.003),急変に気づいてから1.2へ低下した。心理的反応に変化はなかった。結論:ジェネラリスト看護師の急変対応は,交感神経の活性化を認めたが,急変と認識した後も落ち着いて対応していた。
著者
手島 和之 山本 道代 垣谷 正幸
出版者
東北区水産研究所
雑誌
東北区水産研究所研究報告 (ISSN:0049402X)
巻号頁・発行日
no.64, pp.37-41, 2001-03

平成4(1992)年3月に瀬戸内海でサメによる人身事故が発生して以来,サメ類に対する関心が急速に高まった。このような事故を未然に回避する目的で,サメ類の情報を収集し,公開するための連絡網が直ちに設立された。今回,平成4(1992)年~平成10(1998)年にかけて収集された情報に基づいて,瀬戸内海に出現したサメ類について,若干の検討を行った。1) この期間中に,捕獲され,同定されたサメ類は68個体で,7科9属13種であった。2) これらのサメ類の内,メジロザメ類(50%),シュモクザメ類(20%)及びホホジロザメ(9%)が多く出現した。3) サメ類の個体数の変動と,餌となる小型浮魚類や表面水温の変動との間には,相関関係は認められなかった。4) 大型のサメ類は,瀬戸内海を回遊経路の一部として利用した傾向にあると考えられた。