- 著者
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金子 睦雄
米山 達哉
山来 貴
磯部 律元
中沢 潔
南家 俊彦
岸 良示
三宅 良彦
桜井 庸晴
松本 直樹
西崎 光弘
岡本 登
渡邉 佳彦
- 出版者
- The Japanese Society of Electrocardiology
- 雑誌
- 心電図 = Electrocardiology (ISSN:02851660)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.1, pp.59-68, 2009-02-05
開発した合成心電図法を用い,標準12誘導心電図(St-ECG)から高位右側胸部誘導の波形を求め,Brugada型心電図自動検出に有用であるか検討を行った.対象はBrugada症候群と診断された19症例66件のSt-ECG,V<SUB>1</SUB>~V<SUB>3</SUB>誘導の一肋間上心電図(Hi-ECG),合成心電図法より求めた合成心電図(Syn-ECG)である.Hi-ECGとSyn-ECGではQRS-T部分の相関は0.74以上と高かった.循環器専門医がcoved型(A:J≧0.2mV),saddleback型(B),軽度coved型(C:J≧0.1mV)と判読したのはSt-ECGではそれぞれ29件,24件,0件で,Hi-ECGを加えると47件,19件,0件であった.Brugada型と判読された66件をSt-ECGのみで自動解析すると検出感度は68%(A:24件,B:20件,C:1件),Syn-ECGを加えると検出感度は85%(A:44件,B:11件,C:1件)に向上した.一肋間上の心電図と合成心電図は相関も高く,本法が臨床および検診でBrugada型心電図の自動検出に有用であることを確認した.