著者
中沢 潔 岸 良示 戸兵 雄子 高木 明彦 長田 圭三 桜井 庸晴 新井 まり子 龍 祥之助 三宅 良彦
出版者
Japan Heart Foundation
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.151-154, 2001

Brugada症候群は,SCN5A遺伝子異常の家族性突然死症候群である.Brugada症候群の家族の検査は必須と考えており,Brugada症候群の家族の心電図を中心に報告する.当科でBrugada症候群が疑われた患者のうち,12人の協力が得られたので,その家族30人との計42人を対象とした.心電図異常は3家族(3/12家族:25%)に,それぞれ1人ずつ(3/30人:10%)認められた.Brugada症候群のみならず,Lenegre症候群やQT延長症候群を疑う家族員があった.また,Ic群抗不整脈薬負荷を行うことにより,Brugada症候群発見の頻度はさらに増加する可能性があると考えられた.
著者
金子 睦雄 米山 達哉 山来 貴 磯部 律元 中沢 潔 南家 俊彦 岸 良示 三宅 良彦 桜井 庸晴 松本 直樹 西崎 光弘 岡本 登 渡邉 佳彦
出版者
The Japanese Society of Electrocardiology
雑誌
心電図 = Electrocardiology (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.59-68, 2009-02-05

開発した合成心電図法を用い,標準12誘導心電図(St-ECG)から高位右側胸部誘導の波形を求め,Brugada型心電図自動検出に有用であるか検討を行った.対象はBrugada症候群と診断された19症例66件のSt-ECG,V<SUB>1</SUB>~V<SUB>3</SUB>誘導の一肋間上心電図(Hi-ECG),合成心電図法より求めた合成心電図(Syn-ECG)である.Hi-ECGとSyn-ECGではQRS-T部分の相関は0.74以上と高かった.循環器専門医がcoved型(A:J≧0.2mV),saddleback型(B),軽度coved型(C:J≧0.1mV)と判読したのはSt-ECGではそれぞれ29件,24件,0件で,Hi-ECGを加えると47件,19件,0件であった.Brugada型と判読された66件をSt-ECGのみで自動解析すると検出感度は68%(A:24件,B:20件,C:1件),Syn-ECGを加えると検出感度は85%(A:44件,B:11件,C:1件)に向上した.一肋間上の心電図と合成心電図は相関も高く,本法が臨床および検診でBrugada型心電図の自動検出に有用であることを確認した.