著者
西崎 光弘
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.549-557, 2011-12-28 (Released:2012-08-03)
参考文献数
31
被引用文献数
3
著者
西崎 光弘
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.2, pp.305-313, 2006-02-10 (Released:2009-03-27)
参考文献数
6
被引用文献数
1

Wide QRS頻拍は心室頻拍の頻度が高いため, 機序が上室性か心室性によるものか, 早急に鑑別診断することが治療上, 極めて重要である. 心室頻拍と変行伝導を伴った上室頻拍は (1) 房室解離 (2) QRS幅 (3) QRS電気軸 (4) 頻拍中のQRS波形 (5) 洞調律時心電図 (6) 基礎心疾患を指標として鑑別され, 特に, 頻拍中のQRS波形はV1, V6誘導の波形に注目する必要がある. 治療は両者の鑑別と基礎心疾患や心機能の程度によって決定される.
著者
鈴木 篤 山分 規義 大坂 友希 島田 博史 浅野 充寿 村井 典史 鈴木 秀俊 清水 雅人 藤井 洋之 西崎 光弘 鈴木 誠 櫻田 春水 平岡 昌和
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.SUPPL.4, pp.S4_176-S4_183, 2010 (Released:2012-08-21)
参考文献数
12

症例は34歳, 男性. 生来健康であり, 突然死の家族歴なし. 4~5年前より心電図異常を指摘され, 2008年2月, 健診にて心室性期外収縮(PVC)およびST-T異常を指摘された. 同年3月下旬職員旅行の2日目, 朝食中にCPA(心室細動: VF)が発症し, AEDにより除細動され, 後遺症は認められなかった. 近医入院中の心電図にてcoved型ST上昇(type 1)を指摘され, Brugada症候群と診断されICD植え込み術を施行された. 2008年5月, 当科紹介受診. OGTT負荷により, IRI, および血糖値の上昇に伴い, coved型ST上昇が顕性化した. 12誘導Holter心電図記録では, 各食後においてV2誘導にてcoved型ST上昇が認められ, その程度は, 朝食後に特に強く認められた. 一方, PVCは1日中記録され, QRS波形は左脚ブロック型を呈していた. そこで後日, 朝, および昼禁食で同様に12誘導Holter心電図記録を行ったところ, 日中のPVCは著明に減少し, 朝食後, および昼食後に一致する時間帯の記録ではcoved型ST上昇は消失していた. PVCがVFのトリガーとなっている可能性を考え, カテーテルアブレーション治療を施行しPVCは軽減した.本例においてはST上昇, および心室性不整脈発生の増悪に食事が強く関与していた. 以上, Brugada症候群における致死的不整脈の自然発生機序を考慮するうえで, 夜間就寝中の発症ばかりでなく, 食事の影響も注目すべきと考えられた.
著者
水澤 有香 辰本 明子 伊藤 晋平 小宮山 浩大 小泉 章子 永島 正明 谷井 博亘 南雲 美也子 酒井 毅 山口 博明 呉 正次 岡崎 英隆 手島 保 櫻田 春水 日吉 康長 西崎 光弘 平岡 昌和
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.37, no.Supplement4, pp.11-17, 2005-11-30 (Released:2013-05-24)
参考文献数
3

症例は66歳,男性.1987年西アフリカのシエラレオネから帰国後ラッサ熱を発症し,収縮性心膜炎を合併したため心膜剥離術を施行した.2003年8月より心房細動あり,他院にてIc群抗不整脈薬を投与された.その後持続する心房粗動を認めたため,2004年5月カテーテルアブレーション目的にて入院した.電気生理学的検査を行ったところ,三尖弁輪を反時計方向に旋回する通常型心房粗動であった.三尖弁一下大静脈間峡部への高周波通電中に頻拍周期が延長し,心房興奮順序の異なる心房頻拍へと移行した.頻拍中に右房内をマッピングしたところ,右房後側壁にP波より60ms先行する最早期興奮部位を認めた.同部位への通電により頻拍は停止し,以後心房頻拍,心房粗動ともに誘発されなくなった.きわめてまれなラッサ熱による心膜炎術後例に多彩な心房性不整脈を合併した症例を経験した.
著者
金子 睦雄 米山 達哉 山来 貴 磯部 律元 中沢 潔 南家 俊彦 岸 良示 三宅 良彦 桜井 庸晴 松本 直樹 西崎 光弘 岡本 登 渡邉 佳彦
出版者
The Japanese Society of Electrocardiology
雑誌
心電図 = Electrocardiology (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.59-68, 2009-02-05

開発した合成心電図法を用い,標準12誘導心電図(St-ECG)から高位右側胸部誘導の波形を求め,Brugada型心電図自動検出に有用であるか検討を行った.対象はBrugada症候群と診断された19症例66件のSt-ECG,V<SUB>1</SUB>~V<SUB>3</SUB>誘導の一肋間上心電図(Hi-ECG),合成心電図法より求めた合成心電図(Syn-ECG)である.Hi-ECGとSyn-ECGではQRS-T部分の相関は0.74以上と高かった.循環器専門医がcoved型(A:J≧0.2mV),saddleback型(B),軽度coved型(C:J≧0.1mV)と判読したのはSt-ECGではそれぞれ29件,24件,0件で,Hi-ECGを加えると47件,19件,0件であった.Brugada型と判読された66件をSt-ECGのみで自動解析すると検出感度は68%(A:24件,B:20件,C:1件),Syn-ECGを加えると検出感度は85%(A:44件,B:11件,C:1件)に向上した.一肋間上の心電図と合成心電図は相関も高く,本法が臨床および検診でBrugada型心電図の自動検出に有用であることを確認した.