著者
大道 雅英 鴻池 紗耶 山田 祐司 髙橋 陽 成田 昌広 青沼 架佐賜 宗像 康博 山本 直樹 杉本 典夫
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.140-148, 2017 (Released:2017-03-24)
参考文献数
22
被引用文献数
5

【目的】進行がん患者の生物学的予後スコアBiological Prognostic Score(BPS)2版,3版を開発し,予測精度を確かめた.【方法】がん治療を終了または差し控えた進行がん患者で血液検査値,performance status(PS),臨床症状,年齢,性別,がん種を変数とするパラメトリック生存時間解析を行い,BPS2,BPS3を開発した.次に,前向きにBPS2,BPS3とPalliative Prognostic Index(PPI)の精度を比較検証した.【結果】開発群589例よりBPS2,BPS3を開発した.前者はコリンエステラーゼ,血中尿素窒素,白血球数から算出し,後者はBPS2,ECOG PS,浮腫から算出した. 検証群206例で3週,6週生存予測の全体正診率は,BPS2,BPS3がPPIより有意に優れていた.【結論】BPS2,BPS3の有用性が示唆された.
著者
黒田 佑次郎 岩満 優美 轟 慶子 石黒 理加 延藤 麻子 松原 芽衣 岡崎 賀美 山田 祐司 宮岡 等
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.306-313, 2012 (Released:2012-03-02)
参考文献数
14
被引用文献数
3

【目的】緩和ケア病棟(以下, PCU)入院中の患者とその家族を対象に, 入院前後のPCUに対する認識と印象の変化を質的に検討した. 【方法】PCUの入院患者5名と家族9名に半構造化面接を実施し, 要約的内容分析を行った. 【結果】入院前の印象は, 患者では“想像がつかない”など「特に印象がない」を含む2カテゴリー, 家族では“最期を迎えるところ”や“穏やかに過ごす場所”など「PCUの環境」を含む5カテゴリーが得られた. 入院後の印象は, 患者では“心のケアが重要”など「PCUでのケア」を含む3カテゴリー, 家族では“個室でプライベートがある”など「PCUの環境」を含む7カテゴリーが得られた. 【結論】PCU入転院に際し, 家族は“安心が得られる”と“最期を迎えるところ”という気持ちが併存していることが示された. また, 入転院前に比し入転院後は, 患者と家族ともにPCUに対して好意的な印象をもっている可能性が示唆された.
著者
山田 祐司 康 敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題
巻号頁・発行日
vol.97, no.531, pp.59-66, 1998-02-06

本研究では、4彩色問題の解法として、マキシマムニューロンを用いた解法を提案する。この問題に関する従来の解法では、地図を構成する領域の各々に、4色を表わす4つのニューロンを割り当て、発火したニューロンに対応する色で領域を彩色する。この場合、領域毎に1つのニューロンのみが発火する必要があるが、マキシマムニューロンはこのような条件を、常に満たすニューロンモデルである。48〜430領域の5種類の地図に対してシミュレーションを行い、従来の解法との性能比較を行ったところ、本解法は非常に優れた性能を示した。更に本研究では、ニューロンの出力値の更新タイミングについても、議論する。
著者
大竹 桂司 山田 祐司
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.1290-1299, 2014

近年,包括安全指針・労安法・安衛則等の改正によりにユーザーとメーカーの安全意識は高まってきている。しかしながら,規格法令が複雑化したことと安全機器が技術の進歩により多種多様化されたことから,求める内容を正しく理解して「何が本当に危険なのか」「何が最適な保護方策なのか」を見極め,「安全性・経済性を考慮」したうえで適切な安全防護を行っているケースは少ない。特に,紙パ市場の設備においては,ローラ部を稼動させながら作業者が接近しなければならない。また不用意に停止を行うことは再稼働に要する手間から避けたいと言う思いが強く,機械設計者や現場の安全担当者は常にどこまで対策すれば許されるのかのジレンマと戦っている。<BR>究極の安全とは,人と機械が同じ空間に存在しないことである。そのためには,全ての工程において完全自動化の機械とするか,人型ロボットが全ての作業を行なってくれるかのどちらかであるが,その時代はまだ遠い先である。従って,今は今の時代の最善の技術をもって空間または時間による区分けで,可能な限り,人と機械が交わる機会を正しく減らすことが求められる。<BR>本稿では,機械安全の根幹となる『隔離と停止』『安全確認型システム』の考え方を,いくつかの事例を交えて機械アプリに合わせた安全機器の展開方法を説明していく。