著者
岡部 勝 伊川 正人 山田 秀一 中西 友子 馬場 忠
出版者
THE SOCIETY FOR REPRODUCTION AND DEVELOPMENT
雑誌
Journal of Reproduction and Development (ISSN:09168818)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.j19-j25, 1997 (Released:2010-10-20)
被引用文献数
1 2

オワンクラゲ類のもつ蛍光蛋白質は総称してGreen Fluorescent Proteinと呼ばれている.Aequorea victorea(和名:発光オワンクラゲ)のGFPは分子量27 Kdaの蛋白質で,アミノ酸残基65番目のserinと67番目のglycinのペプチド結合部位が脱水縮合を起こした後に酸化されて発色団を形成し蛍光蛋白質となる.この構造変化は酸素以外に特別な因子を必要とせず,蛍光は細胞を観察するだけでよい.外来遺伝子としてGFP遺伝子を導入すると,蛍光をもつ培養細胞,植物,線虫,ハエ,魚,マウスなどが得られる.現在では人工的に作製された,緑,青,黄色など種々の波長の蛍光を出す多くの変異体があり,今後,実験動物の分野で新しいマーカーとして使用される例が増えるものと予想される.本稿では我々の作製したトランジェニックマウスを中心にGFPの応用例を述べる.